’70年貧困の消滅と私権の衰弱
260775 3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 12/01/23 AM00 【印刷用へ
’70年頃、先進国ではほぼ豊かさが実現され、飢餓の圧力が消滅した。すると、たちまち私権圧力が衰弱してゆく。そうなると、これまで、私権の強制圧力によって追い立てた上で利便性や快美性を囃し立て、過剰刺激によって水膨れさせてきた物的欠乏は、衰弱してゆかざるを得ない。

それは、市場の縮小を意味する。

市場を支配してきた金貸し勢力は、存亡の危機に陥り、それ以来40年間、今日まで何の打開策も見出せないまま、危機感に駆られて暴走し続けてきた。
物的欠乏の衰弱というこの事態を受けて、彼らが最初に打った手が、人々に改めて私権圧力を思い知らせるための、石油ショックという目くらましの猿芝居である。もちろん、そんなことで、物的欠乏の衰弱という根底的な地殻変動を止められる訳がない。
結局、彼らは、これまで常にそうしてきたように、国家を通じて資金を吸い上げ、延命を図るしか能がない。たとえ、それではこの大転換を押し止めることはできないと分かっていても、金貸しに出来ることはそれ以外にない。

彼らは、配下の中央銀行と政治家・官僚・マスコミに命じて、大量の国債を発行させ、その資金を市場に注入して、人工的な市場の拡大を図ったが、その結果、バブルの崩壊から底なしの金融危機に陥り、彼らの小細工は完全に破綻した。
彼らはこの40年間、学者や官僚やマスコミを動員して、経済成長=市場拡大を装ってきたが、騙されてはならない。例えば日本の場合、借金して作った1000兆円もの資金を市場に流し込んできたが、毎年のGDPからこの1000兆円を差し引けば、実態の経済はマイナス成長となる。つまり、市場は豊かさの実現によって縮小するしかなくなっていたのである。

社会の表層での金貸し勢の暴走をよそに、社会の深層では、私権圧力と物的欠乏は衰弱し続けてゆく。そして、私権圧力の衰弱は、市場活力を衰弱させると同時に、他方で、新たな活力を再生してゆく。それが、根源回帰による活力の再生である。
私権の強制圧力が衰弱すれば、これまでその強制圧力によって歪められ、あるいは抑圧されてきた人類本来の活力源に回帰してゆくのは当然の理(ことわり)である。

まず最初に生起したのは、本能回帰の潮流である。それは、’70年代以降のヒッピーや環境運動を含む自然志向に始まり、’90年代の健康志向、’02年以降の節約志向(「もったいない」)と、どんどん広がってきたが、ついに’11年、原発災害を契機として、「食抑」意識が生起した。食抑意識とは、「万病の元は食べ過ぎに有り。一日2食で充分。(理想は1食)」という認識で、広範に広がる気配を見せている。
これらの潮流は、一見本能の抑止とも見えるが、そうではない。それは、過剰刺激に対する本能の拒否反応であり、健全な本能回帰の潮流である。この本能回帰の潮流が、市場を縮小させた主役であることは言うまでもない。
 
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新しい潮流1 社会捨象→不全捨象の充足基調(’70・’80年代)
新しい潮流2 私権統合の崩壊と社会収束の潮流(’90・’00年代)
新しい潮流3 社会不全⇒認識欠乏の蓄積
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市場社会の、カタワの「集団」
本当は、「集団」に入ったのではなく、社会に出たのだ
古い人間関係は、影が薄くなるばかり
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関係パラダイムの逆転2
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収束不全発の適応可能性の探索、その深くて強い引力
充足基調から探索基調への転換
'90年代の危機感と変革期待の行方
秩序収束と答え探索の綱引き
潮流2:戦後日本の意識潮流
潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束
潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流
今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる 
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(1) 共認充足が最大の活力源。'10年代はそれだけで勝てる
市場時代の共認非充足の代償充足⇒解脱(芸能)埋没
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「やりがい」に潜む社会的欠乏
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仲間収束 2:一人でできない子
「働きたいから働こう」という意識
快美欠乏に替わって、認識の統合が最高価値になった。
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『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
芸能か、認識形成か

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