学者とマスコミはグルで頭脳支配
260221 財務省のプロガパンダを斬る
 
新聞会 12/01/05 PM04 【印刷用へ
財務省がやっているプロパガンダを検証した記事を紹介します。

Electronic Journalリンクより転載します。
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「プロパガンダ」という言葉をご存知でしょうか。
 「プロパガンダ」とは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導
する宣伝行為のことであり、きわめて政治的行為です。問題なの
は、そこで行われる宣伝の内容には必ずしも「本当でない」こと
があっても構わないという考え方があることです。
 今回、野田政権が消費増税の実現に向けてやってきたことにつ
いても数々のプロバガンダが行われているのです。問題はそれを
表面上は野田内閣がやっているのですが、実際はバックにいる財
務省が工作していることです。この財務省がやっているプロパガ
ンダをいくつか取り上げて、ひとつずつていねいに検証していく
ことにします。
 財務省がホームページまで使って一番強く国民に訴えているプ
ロパガンダは、「国の財政を家計にたとえる」ことです。具体的
には、次のようなかたちの訴えになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 現在日本の財政は40万円しか収入がないのに借金によって、
 90万円を支出する生活をしている家庭のようなものである。
―――――――――――――――――――――――――――――
 この訴えは非常に分かりやすいので、メディアが好んで取り上
げており、テレビのコメンテーターを含めて多くの識者が使って
います。しかし、基本的には「国の財政を家計に例える」のは、
間違っているのです。
 これは財政悪化を火の車の家計に置き換えているので、国民に
対して「増税しないと財政が破綻する」という恐怖感を植え付け
るのに効果的なプロパガンダになっています。
 産経新聞社編集委員兼論説委員の田村秀男氏は、これについて
次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 こうしたたとえ話が間違っているのは、国の財政というものは
 家計と違って主婦が節約すればするほど黒字が増えるようには
 できていないということだ。経済を刺激するような積極的な財
 政政策を行なうことで税収を増やすこともできるという意味で
 国家は家計よりもむしろ企業に近い存在である。しかも、国と
 家計が決定的に異なるのは、通貨の発行権を持っていることで
 ある。国は中央銀行による金融政策を行使することで、「借金
 が雪だるま式に増えないように」金利水準や物価上昇率などを
 コントロールする手段を持っている。「借金が雪だるま式に」
 というプロパガンダの裏には、徴税権という自らの権力を失い
 たくない財務官僚の思惑が透けて見える。  ──田村秀男著
        『財務省「オオカミ少年」論』/産経新聞出版
―――――――――――――――――――――――――――――
 40万円しか収入がないのに、借金によって90万円を支出す
る生活の家庭──常識的に考えてもこのような家庭は存在しない
はずです。そのような家庭はすぐ破綻しており、だからこそプロ
パガンダとして利用価値があるのです。
 しかし、国の場合は課税権や通貨の発行権を有しており、そう
いうことがあっても不思議ではないし、直ちに破綻にはならない
のです。解決する方法が多くあるからです。
 よく「財政破綻」といいますが、どういう状況を指して財政破
綻というのでしょうか。昨日のEJで取り上げた土居丈朗慶応大
教授の言葉を再現します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 政府・民主党が半年遅らせたことは財政収支改善の遅れにつな
 がり、軽く考えるべきではない。与野党協議では早急に合意し
 てほしい。不調に終われば、市場の失望につながり、長期金利
 の上昇を呼び込むリスクもある。  ──土居丈朗慶応大教授
―――――――――――――――――――――――――――――
 この中で「長期金利を呼び込むリスク」とありますが、これは
「国債の暴落」を意味しています。長期金利というのは10年物
国債の金利のことです。現在日本国債の長期金利は1%台ですが
もし日本国債が土居教授のいうように市場の信認を失って、一挙
に5%になったとすると、国債価格は25%以上低下する──こ
れを国債の暴落というのです。
 つまり、金利を高くしないと国債が売れないので、長期金利が
上がる──つまり、国債価格が下がるのです。また、金利が上が
ると日本のように国債依存度が高い国の場合、利払いが一挙に高
額になり、支払うのが困難になる可能性があります。
 しかし、これで財政破綻かというと必ずしもそうとはいえない
のです。なぜなら、仮に25%の国債価格低下を暴落というなら
日本経済が回復すると、この程度の暴落はいくらでも起こるから
です。もし、日本経済が名目成長率で4〜5%になると
国債金利も4〜5%になるのは自然なことであるからです。もっ
ともこの場合は、GDPが増えて税収が上がるので、財政問題は
改善しているのです。
 現在日本経済は依然としてデフレ状態にあり、名目GDPがゼ
ロないし、マイナスになっているので、少しでも長期金利が上が
ると大変なことになると敏感に考え過ぎる人が多いのです。よく
長期金利が7%になると危険水域といわれますが、仮にそうなっ
たとしても打つべき手段があり、直ちに財政が破綻というわけで
はないのです。
 すなわち、長期金利が上昇してそれによって利払いが困難にな
ったとしても、国には徴税権や通貨の発行権を有しており、それ
を使えば、直ちに財政破綻ということにならないのです。
 このように「財政破綻」にしても「国債暴落」にしても「国の
借金(債務残高)」にしても、いずれも定義もしないで使ってい
ます。プロパガンダを仕掛ける方は、それぞれ自分たちにとって
都合の良い数字を使っているのです。だから、プロガパンダとい
うのです。騙されないようよく事実を調べる必要があります。
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以上です。
 
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