実現論を塗り重ねてゆく
259624 11/27なんでや劇場1 集団は外圧に適応するためにあるが、その核を成すのは雌雄の性引力である
 
冨田彰男 ( 48 兵庫 経営管理 ) 11/12/17 PM00 【印刷用へ
11月27日なんでや劇場:実現論序『共同体社会の実現に向けて』の研修会の要約です。

「序2.私権時代から共認時代への大転換」第三節「必要なのは地に足をつけた共同体企業の建設」について参加者から出てきた疑問点や問題提起を元に追求し解明してゆく。

出てきた問題提起は2つである。

【1】重要なのは「共同体社会の構成単位=原点となる、集団=企業」とあるが、集団には家族もある。なぜ、家族ではなく、企業が共同体社会の原点となるのか?

【2】「今必要なのは、職場を共同体に作りかえること、企業の共同体化である」とあるが、共同体とは何か?

共同体も闘争集団の形態の一つであるが、闘争集団とは別に生殖集団がある。これは婚姻論の領域であり、婚姻論は共同体論よりも領域が広い。
従って、共同体の根底に流れる原理は、闘争集団としての共同体論だけでは不十分で、生殖を包摂した全集団論から発掘される可能性が高い。
従って、まず婚姻論的問題である【1】なぜ、家族ではなく、企業が共同体社会の原点となるのか?から追求に入る。

【1】企業は闘争集団であり、家庭は生殖集団である。生殖集団と闘争集団の関係はどうなっているのか?

まず、生物史を遡って考える。

@生物が雌雄分化したのも、集団を形成したのも、全ては外圧に適応するためである。
実際、雌雄に分化し、生殖過程は雌、闘争過程は雄という風に役割分担を進めた方がより適応力が高くなるので、雌雄に分化した系統の生物は雌雄の差別化をより推進する方向で進化してきた。

そして、雌雄が結びつくことではじめて集団が形成されるが、雌雄分化してすぐに集団が形成されたわけではない。
例えば、魚類では雌雄は交尾の時に一時的に接触するだけであり、一時的な雌雄関係ができるにすぎない。この段階では集団とは言い難いが、両性類〜哺乳類へと進化するにつれて、雌雄が一緒にいる期間が長くなってゆき、雌雄が生涯に亙って一緒にいるようになる。

このように進化するにつれて、一時的な雌雄関係から集団が形成されるようになるが、集団を形成する核となっているのは雌雄の性引力である。

また、ほとんどの動物において、雄は雌と子供を守って闘うために存在している。つまり、生殖のための闘争という関係になっている。

とりわけ、哺乳類は一般に内雌外雄の集団編成を取っているが、これは外敵には闘争存在たる雄が対応し、その集団(雄たち)に守られて生殖存在たる雌と子供が存在するという、外圧に対する二段編成の構造(=同心円の構造)である。
この同心円構造は、生殖(集団)を守る闘争(集団)という関係を空間的に表すものであるが、ここでも雌雄の性引力が核となって集団が形成されている。

このように、外圧に適応するために生物は雌雄に分化し、雄は雌や子供を守るため=生殖のために闘争する。そして、雌雄の性引力によって集団が形成され、生殖集団を守る闘争集団という関係が形成される。
(外圧に適応すると言えば、闘争第一というイメージで捉えがちだが、核にあるのは生殖であり、生殖のための闘争という関係なのである。)

A原猿では、雄同士の性闘争の勝者(首雄)と雌同士の縄張り闘争の勝者(首雌)が結びつく両頭婚という婚姻様式となる(性闘争=縄張り闘争であるが、雄では雌を巡って争う性闘争の側面が強く、雌では縄張りを巡って争う縄張り闘争の側面が強い)。

この原猿集団は一匹の首雄と首雌とその子供という単体集団であるが、真猿になると、複数の雌雄から構成される集団が形成される。
真猿集団は闘争共認によって統合された闘争集団であるが、雌たちは、その闘争集団の中央に、あくまでも原猿と同じ生殖集団を形成し続ける。真猿の婚姻制も首雄集中婚が主流で、中央に首雄とメスたちと子供たち、その外側にオスたちという、絵に描いた様な内雌外雄の同心円の隊形を取る。

真猿が集団化したのは、外圧に適応するため=縄張りを確保するためである。
これは真猿集団のみんなの最大期待、とりわけ雌の期待が縄張り確保になったことに応えたためであり、だからこそ、闘争能力の強い首雄に群れの全ての雌が集中するという首雄集中婚になったのである。

このように、原点は生殖集団を守ることであったとしても、各時代・各集団の第一価値は、みんなの最大期待が何かによって決まる。みんなの最大期待が集団の統合軸となるのである。
 
  List
  この記事は 258352 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_259624
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
356253 男女の充足共認が集団の求心力を成し、みんなの最大期待を実現する核になる 女の職場話 20/05/02 PM09
【共同体社会の原点(集団)を追究する】7〜集団本能の形成過程〜 「共同体社会と人類婚姻史」 12/06/01 PM03
260720 “言葉”は塗り重ねられることで、みんなの「気付き」「答」に昇華していく 麻丘東出 12/01/21 AM08
11/27なんでや劇場レポート(1)〜集団は外圧に適応するためにあるが、その核を成すのは雌雄の性引力である〜 「日本を守るのに右も左もない」 12/01/05 AM08
259625 11/27なんでや劇場2 人類の婚姻制もみんなの最大期待(⇒統合軸)によって規定される 冨田彰男 11/12/17 PM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp