現代意識潮流を探る
258701 威のゲーム→富のゲームから、智のゲームへの移行期
 
山上勝義 ( 47 京都 建築士 ) 11/11/15 PM11 【印刷用へ
女。MGの日記リンク
「無給で働くのは奴隷労働じゃないという発想」
より以下引用

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価値観のズレがあれば、同じ現象を同時に目撃していてもそれに対する解釈の仕方は異なってくるでしょう。地球規模での情報化が個人レベルで体感できるようになった現在、それを空気のように感じる人間と、そうでない人間との価値観のズレは相当のものがあるように感じています。私の言葉でいうと、露出社会の住人か否かのズレは深刻です。

さて、報酬無しでブログを書くこと、報酬無しで動画をつくること、NPOでただ働きをすること。

このような人間の行為について、あなたはどのように感じるでしょうか?

「それって、奴隷労働じゃないの?」

「単なる趣味だろう、取るに足りない。」

そのように感じる人も、もしかしたらいるかもしれません。

でも、今水面下で進んでいるのは、一見、奴隷労働や取るに足りない趣味のように思えるものに、人々は組織で賃金をもらう仕事よりも、熱狂しており、自らのアイデンティティを置き始めているという現象なのです。

一部の人々は、お金を稼げる仕事よりも、人々の評価を稼げる活動に熱中し始めている現象が観察されます。お金を稼げる仕事をすることを当たり前に感じている人からすると、無給でありながらイキイキと活動している人間をみると、大変奇妙に感じるでしょう。なぜやつらは、そんなに楽しそうにしているんだ!と。

このような現象に見取り図を与えてくれる研究をされている方を今日は紹介したいと思います。今年「情報社会のいま〜あたらしい智民たちへ〜」という著書を上梓した公文俊平先生です。

公文氏は近代を3つのフェーズに分けて分析します。

「軍事化」「産業化」「情報化」

そしてそのぞれぞれの段階で、人々がプレイしているゲームの前提が異なるといいます。軍事化段階では威のゲームが主流になり、産業化段階では富のゲームが主流になり、情報化段階では智のゲームが主流となります。

私たちは今、富のゲームをプレイすることを常識として捉えている段階にあるでしょう。大学を卒業したら企業に就職して月給をもらいながら働くのは社会的に当たり前だと今のところ感じられます。とはいえ、現在智のゲームも生まれてきているというのが、公文氏の見解なのです。智のゲームとは、情報ネットワーク上で評判を獲得するためにプレイするゲームです。ここでは、お金を稼ぐよりも、評判を稼ぐことが当たり前だと感じられます。むしろ、智のゲームに参加するのにお金をもらうのは、富のゲームに参加するのに暴力をふるわれるようにおかしいものに感じられます。前段階のゲームであたりまえのように感じられていたものが、新しく出現したゲームでは違和感そのもになるという現象が進行するのです。

では、なぜ今、富のゲームから智のゲームに移行する人々が観察されるのでしょうか?富のゲームの成熟、智のゲームの土台となる場の出現が進行しているからです。

●富のゲームの成熟
富のゲームが成熟期に入り、商品が世の中に溢れてしまい、今さら商品をつくったり購入したりする活動の魅力が急速に薄れているというのも、智のゲームへの移行を後押ししているでしょう。

●智のゲームの土台(露出社会)の出現
私が当ブログで表現してきた「露出社会論」とも関連するところなのですが、露出社会の出現により、自分が心の底からいい!と思った活動を表現することで、すぐさま人々からそれに対して承認を与えられます。それは、富のゲームで、お金をもらい、そのお金でいろんな商品を購入して、人々から「すごいねぇ」と間接的に承認されるよりも、直接的な承認を得られるという意味で魅力的だと思います。

さらにいえば、露出社会の出現で、いろんなモノや人間が情報化され、それらが一気に多数の人々に「share」され得るようになり、「お金」や「時間」の価値が、露出社会の出現以前よりも圧倒的に高まっているというのも、より多くの人々が智のゲームへ参加する環境を準備し始めています。

富のゲームを主戦場にしているのか、智のゲームを主戦場にしているのか、それともそのハイブリッドな領域でゲームをしているのか、現在いろんな立場で生きている人々が存在します。だから、冒頭でも挙げたように同じような現象を観察しても、そのそれぞれの人によって感じ方は異なると思います。時には対立することもあるでしょう。しかし、歴史的必然として、智のゲームが今後影響力をもってくることは間違いないでしょう。そしてMGは、その最前線でなにが起きるのか?今後も当ブログで考え続けることになるのだと思います。

以下省略
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「軍事化」「産業化」「情報化」とは、武力⇒資本力⇒共認力という制覇力の変遷と考えられ、現状は資本力から共認力へとシフトしてきているという状況認識は的確だと思う。

場が変われば、それまでの評価指標であった『お金』の位置付けも変化してくる。
『お金を稼ぐ』から、『人々の評価を得る』という意識変化は過渡期において、旧い場の人々には奇異なことに映るのでしょうが、共認社会になれば立場は逆転しているのだと思います。
 
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