実現論を塗り重ねてゆく
258504 中世〜近代、日本の中産階級はなぜ市民革命に走らなかったのか
 
山田孝治 ( 38 東京 デザイナー ) 11/11/10 PM07 【印刷用へ
>庶民は「お上捨象」で、支配者は「民の生活第一」という世界でも稀な特異な体質が下にも上にも形成されたのは、日本人の縄文体質(受け入れ体質)の結果である。258302

18世紀、西洋では啓蒙思想家に導かれて、フランス革命に代表されるように、市民革命が興ります。
絶対王朝の圧政から市民が立ちあがった、と美化される事も有りますが、その本質が力をつけた中産階級による更なる権利要求であった事は、その後の歴史経過を見ても疑いようがありません。

では日本はどうだったのでしょうか。
同時期の日本は江戸時代中期であり、老中田沼意次が幕政の指揮を執った、いわゆる田沼時代です。
貨幣経済を促進させ商人からの課税によって傾いた幕府経済を立て直そうという、従来の農本主義から重商主義へ政策を大きく方向転換させた時期でした。
この改革は政争の中で頓挫しますが、元禄期以降商人が力をつけ、この時期には既に西洋同様に中産階級として、為政者の目にも止まるような大きな力を持っていた事を意味しています。

しかし彼らは、西洋の中産階級の様に、富を背景に更なる権利と富の再分配を求めて反乱を起こしたり大衆を煽ったりといった行動に走ることはありませんでした。
太平の世の中で、経済的には大名や幕府を凌ぐ潜在的な力を持ちながらも、革命を起こしてその政権や身分序列を破壊しようとはせず、むしろ政治に関しては徹底的に無関心でした。(日本史において、民間資本家が行政に深く関与するのは、明治維新以降です)

ここにも庶民の、どんなに経済力をつけても、変わらぬ「お上捨象」意識を見て取ることが出来ます。
中世〜近代に於ける西洋と日本の中産階級の意識大きな違いも、
庶民に至るまで私権の要求と分配が最大の関心事であり、為政者に対しても常にそうした鋭敏な視線を向けていた西洋と、
共同体を充足基盤とした、庶民の「お上捨象」・支配者の「民の生活第一」という日本の意識の大きな違いに起因しているのではないかと思います。
 
  List
  この記事は 258302 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_258504
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
258543 日本における議会制民主主義の普及とは、統合階級による国民の洗脳の過程 わっと 11/11/11 PM03

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp