ギリシア神話の中で、最高神ゼウスは、ヘラという正妻がいながら浮気を繰り返していることから、無類の好色と評されることがあります。
こうした評価は、現代的視点からみた価値観に過ぎず、むしろ婚姻による侵略地の支配戦略と捉えるべきだと思われます。
YAHOO知恵袋(リンク)より引用
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神話は歴史的出来事が、歴史の記憶としてバックボーンになっています。
例えば、ヘラは昔からの(たぶん印欧族ではない)の古ギリシア人の地母神(大女神)で、母系崇拝と地母神(農業)です。翻ってゼウスはギリシアに侵入してきた印欧族の主神で男系崇拝の狩猟民族です。今のギリシア人の基です。
当然両者戦争があったのは考えられます。今の趨勢を見る限りゼウス族が勝利を収めたのでしょう。しかし慣習はそう簡単に変えられずしかもゼウス族も農耕をやりだしました。ここでデーメーテルという女神が穀物神となります。
この前史から考えるとお互いの妥協策としてヘラとゼウスの婚姻により社会の基盤を安定させたと思われます。
そこで歴史背景から神話に戻ります。ゼウスか浮気性なのは2つ。ひとつは誰でもやるだれだれの子孫でという箔をつけるため必要以上に浮気をしているという話。もうひとつのほうは戦略的に重要で2つの民族(トラキア・クレタ・フェニキアなどを加えるともっとたくさん)の架け橋になる事です。それには神様を増やさねばならない。実際は征服戦争でその土地の神をとりこんだのでしょう。
したがってゼウスと、浮気などしない貴婦人ヘラの白黒の対比が必要です。そこで浮気婚姻という神話が出来上がったのでしょう。
ゼウスはヘラを愛してはいますがお勤めは励まねばなりませんし、ヘラは理解しながらも高貴なオリュンポス最古の神としての威厳を発揮しなければならないのです。なおゼウスは自分の子供には手を出してはいません。子孫には出していますが、これも征服戦争の言い換えでしょう。
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