国家の支配構造と私権原理
258231 10/30なんでや劇場2 支配階級の私有権は絶対不可侵だが、庶民の私有権は剥奪され得る
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 11/11/02 AM00 【印刷用へ
私権制度の起源は?

母権制社会までは物財は集団の共有であった。
戦争が始まると、略奪品や占領した土地は原則として王の所有に一元化されたであろう。∵将や兵士による着服が頻発すると統制が取れなくなるからである。

この段階では、王一人に全ての財や土地が集中するわけだから究極の私有制とも云えるが、所有しているのは王だけなので集団の共通物として王が管理していると見れないこともない。
ところが次の段階では、王は功ある将に財や土地を分け与える。その将が配下に分け与える。最後に末端兵士から農民にまで土地が分け与えられてゆく(本質的には貸し与えられたと見るべきだろう)。このように、財や土地全てを所有していた王から次々と下の者に財や土地が分け与えてられてゆく。これが私有制度が形成されてゆく構造である。

つまり、元々、私有権は王の裁量(腹一つ)で下々に分け与えられたものに過ぎず「私有権が絶対不可侵である」という現在の常識は騙しである。
「私有権は絶対不可侵」というのは「王or支配者の私有権は絶対」というのが本当の意味である。但し、それでは人々の共認が得られないので「万人に私有権がある」という騙しによって、私有制度が共認されたにすぎない。
実際、支配者からすれば大衆の私有権などいつでも剥奪できるのであって、例えば、これから行われるであろう支配階級による預金封鎖とは私有権の剥奪そのものである。大衆の私有権など、権力者の都合次第で簡単に剥奪されるのである。

しかし、一度、私有権が共認されると、社会の全ての物財は(女も含めて)悉く私有の対象となり、人々は私権を確保しなければ生きてゆけなくなる。つまり、私権の共認は、否も応もない私権の強制圧力を生み出し、万人を私権追求の主体に改造してゆく。こうして、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会が出来上がった。
 
  List
  この記事は 258196 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_258231
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
世界の闇の支配勢力から日本の支配史を読み解く【歴史No.8 江戸時代とは武力支配から資力支配への移行期だった】 「金貸しは、国家を相手に金を貸す」 11/11/13 PM00
258265 10/30なんでや劇場3 大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく 岡田淳三郎 11/11/03 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
「経済破局に至る基本構造」
銀行国有化しかない
金貸しの没落=私権原理の終焉
2008年、世界金融危機は何を意味するのか?
西欧近代:宮廷ユダヤが王族への借金をカタに近代国家システムを形成
日本銀行の通貨発行の仕組み
影に隠れて暴走してきた金貸しの支配が明るみになった
TPPをめぐる俗論を反証する@〜横行する数字のトリック、おかしな議論への反証
TPPをめぐる俗論を反証するA〜「国益VS農業保護」論は、国益に反する
国破れてTPP在り
忘れられた経済学者シルビオ・ゲゼル@
忘れられた経済学者シルビオ・ゲゼルA
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(2)カール・ポランニー
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(3)ミヒャエル・エンデ
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(5)エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(7)サティシュ・クマールその2
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(8)ヴァンダナ・シヴァ
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(9)宇沢弘文
江戸時代の思想11 大衆支配のための既成観念を全的に否定し、新概念を創出しようとした安藤昌益
現状の経済システムに問題あり
作られた物欲
過剰消費のもう一つの理由
消費社会と受動社会がつくり出す、矛盾と危険性
国債残高
貨幣の問題をめぐってC
貨幣の問題をめぐってD
長期金利の上昇は本当に起こるのでしょうか?
市場「原理主義」の限界
市場は等価交換ではない、外部不経済を捨象している
等価交換など存在しない
消費の自由のいかがわしさ。
消費が変わる。消費を変える。
「所有価値」から「利用価値」への転換
市場社会は人間の欲望を飽くことなく増幅させるーーー金銭犯罪の五つの類型
フェアトレードは市場拡大の幻想取引ではないか?
自我経済学から共認経済学へ
「需要発から供給発へ」
諸外国の公共事業民営化はなぜ失敗したのか?

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp