実現論を塗り重ねてゆく
258196 10/30なんでや劇場1 原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 11/11/01 AM02 【印刷用へ
10月30日なんでや劇場:実現論序『共同体社会の実現に向けて』の研修会の要約です。

「序2.私権時代から共認時代への大転換」第一節「現実世界を動かしている力の構造」について参加者から出てきた疑問点や問題提起を元に、歴史的に古い順に追求し解明してゆく。

●「部族長は、もともと祭祀を司る長でもあった」ということだが、祭祀(を司る長)とはいつ登場したのか?

祭祀を司る長とはシャーマンのことであり、古くは原始人類の精霊信仰にまで遡る。古代では王と祭祀長は分化しているが、原始人類ではどうだったのか? そもそも原始人類のリーダーの役割は何だったのか? そこから考える必要がある。

足の指が先祖返りして、それ以前の獣たちと同様、足で枝を掴むことが出来なくなったカタワのサル=人類は、樹上に棲めるという本能上の武器を失った。そして、人類は1〜2万年前まで、まともに地上を歩くことが出来ず洞窟に隠れ棲むしかない様な、凄まじい外圧に晒されていた。

まず、この原始人類の生存状況に同化してみよう。

洞窟の中で餓えに苛まれなが暮らしている。主要な食糧は肉食動物が食べ残した動物の骨であったが、それを拾い集めるのは短時間で済み、何より洞窟の外は危険が一杯なので、長時間も居られなかった。
つまり、大半の時間を洞窟の中で過ごしていたわけで、原始人類はその間、何をしていたのか?

まず考えられることは、エネルギー源としての充足の追求であり、それによって人類は充足機能を発達させてきた。
カタワのサルである人類は地上で適応するために直立歩行の訓練を始め、それが踊りとなり、この右・左と足を踏み鳴らす踊り=祭りが日々の充足源(活力源)となった。
この踊り=祭りの中でトランス状態に入り、そこで観た幻覚の極致が精霊である。人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点である。

脳回路の最先端に精霊信仰の回路が形成されて以降、人類は、生存課題の全てを本能⇒共認⇒観念(精霊信仰)へと先端収束させる事によって、観念機能(→言語機能を含む)を発達させ、その事実認識の蓄積によって生存様式(生産様式)を進化させていった。

精霊信仰に先端収束することによって統合された人類集団では、精霊への祈りが最も重要な課題であり、元々は二足歩行訓練という目的であった踊りや祭りも、精霊への祈りが主要な意味に変わっていったであろう。
また、それに応えるために最も霊感能力の高い者(一般的には女)が集団のリーダーになったはずである。

このように原始人類集団では、祭祀の長(シャーマン)=部族長である。部族長がいなかった部族があったとしても、シャーマンのいない部族はなかったであろう。

もちろん、祭祀とは別に、食糧(動物の死骸の骨)を拾いに出る決死隊も必要であり、そのリーダーは男が担っていたが、霊感能力の高いのは一般に女であり、原始人類の集団のリーダーは女が担っていた可能性が高い。(集団のリーダーは力の強い男という固定観念を塗り変える必要がある。)

そして、集団のリーダーになったのは経験智の高い婆さんである。
この婆さんが娘たちの婚姻相手を決めるわけだが、その相手は集団で最も優れた男=首雄になるのは必然である。このように、原始人類の首雄集中婚は男が主導したものではなく、女たちが望んだものなのである。人類に限らず殆どの哺乳類が首雄集中制をとっているが、生殖過程(雌雄関係)の主導権を握っているのは雌(女)たちであって、首雄集中婚だからといって雄(男)が主導権を握っていたと見るのは大きな誤りである。

観念機能(事実認識=洞窟・貯蔵・火・調理具・戦闘具・舟・栽培・飼育)の進化によって生存力を強化した人類は、2万〜1万年前、弓矢によって外敵と互角以上に闘えるようになった頃から洞窟を出て地上に進出する。そして地上に進出した人類は、忽ち外敵を駆逐して、繁殖していった。その結果、繁殖による集団の拡大→分化を繰り返した人類に、ようやく同類闘争の潜在的な緊張圧力が働き始める。

それでも5000年前の中国では農耕の母権社会であった。このことも、それ以前の人類集団のリーダーが女であったことを伺わせるものである。
中国の母権社会は採集→農耕部族の例であるが、狩猟部族でも北米インディアンは母系だし、父権制に転換したゲルマン人でも、戦いの際には女たちが男たちの尻を叩くなど、母権制の風習を残している。ということは、闘争圧力が高い狩猟部族でさえ、元々は母権社会であったと考えられる。

ところが同類闘争圧力→戦争圧力が高まると、戦闘集団の長(男)が部族長になり、戦争の果てに古代初期に王国が誕生すると、武装勢力を率いてきた部族長が王となる。
このように、元々の人類集団では祭祀長が部族長だったのが、闘争圧力が上昇したことにより、戦闘隊長が部族長に昇格し、その下or横並びに祭祀長(シャーマン)が控えるという形に逆転した。(なお、東洋では神官集団はほとんど例外なく女集団である。)

このような長(リーダー)の役割の交代の背後にあるのは、大衆の期待の変化である。
原始時代〜採集生産時代は自然圧力に適応することが集団の成員の期待であって、それに応えるために長には祭祀能力が求められた。
同類闘争圧力が高まり戦争が始まると、防衛や闘争勝利が大衆の期待となり、それに応えて武装勢力の長がリーダーに変わったのである。

精霊信仰⇒祭祀は自然を対象としているが、同類を対象とする同類闘争→戦争でも部族長には予感・予測能力が求められた。その予感・予測能力は霊感能力に近いものであっただろう。実際、未だにアラブでは部族長に求められるのは予感・予測能力である。
 
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