実現論を塗り重ねてゆく
256978 9/18なんでや劇場4 近代思想の成立過程⇒恋愛観念(幻想)の蔓延
 
冨田彰男 ( 48 兵庫 経営管理 ) 11/09/22 AM00 【印刷用へ
この節【いま求められるのは、運動論の提示】では、精神破壊に触れていない。それは次のような意識潮流分析によるものである。

子供の精神破壊は直接的には中学受験→試験制度の問題だが、根底的には婚姻制度・密室家庭の問題である。しかし、人々の意識は婚姻制度に対する根本的な問題意識にまで未だ届いていない。かつ、その前に地球危機や経済破局が迫っていることから、精神破壊についてはこの節では触れていない。

しかし、次の節【答えを出せない学者・官僚・マスコミ】では、「国家も企業も家庭も全てが機能不全に陥っておかしくなっており、あらゆる面で人々の活力が衰弱してきている」と記しており、それぞれ、どこがどうガタガタなのかは、経営者に説明する時には具体的な説明が必要である。

また、精神破壊という問題は、子供だけではなく大人の精神破壊もある。つまり、民主主義や市場主義に染脳されて、自我だけが肥大した無能な人間だらけになってしまったという問題。これがどの企業も抱える最大の問題であり、この問題は次節【答えを出せない学者・官僚・マスコミ】と一体の問題である。

【答えを出せない学者・官僚・マスコミ】

「近代社会(=市場社会)は、民主主義や市場主義に代表される近代思想に導かれて発展してきた」というのはどういうことか?

まず近代思想の登場過程からみてゆく。

ルネサンス初期には恋愛観念が蔓延っていった。性的自我の開放である。(最も有名なのがルネサンス後期のシェークスピアの恋愛小説)。次に、その根拠をギリシアに求める復古主義が登場した。

さらにルネサンス中後期には、個人主義や民主主義、さらには自然主義(自然に帰れ)が登場し、その先に、デカルトらの17世紀哲学者が登場する。この時代の哲学者は同時に科学者でもあり、科学論の系譜と重なってくる。つまり、ルネサンスの恋愛(性的自我)と、その後の科学思想との合流点にデカルトらの哲学があり、その後にアダム・スミスらの経済学が登場する。産業革命はその後である。この間100〜200年のタイムラグがあり、これだけ見ると近代思想が市場拡大を先導したように見える。

ところが、産業革命以降に市場拡大が加速したのは事実だが、それ以前のヨーロッパの市場が停滞していたわけではない。中世〜近世〜近代にかけて着実に拡大している。

だとすれば、市場の拡大を先導する思想が先行したのか? それとも市場が拡大したのでそれを正当化する思想が登場したのか?という疑問が生じる。

王侯貴族たちの性規範のゆるみor綻びを見て取ったルネサンス期の思想家たちは、それを正当化する恋愛観念(幻想)を作り上げ、その土台の上に民主主義や個人主義、自然主義が塗り重ねられ、それに導かれて市場拡大していった。このように大きく見れば、現実の変化→それを正当化する観念→それに導かれて現実が進んでゆくという螺旋的な関係にある。
 
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3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
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6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
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現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
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統合階級の暴走で失われた40年
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新理論の構築をどう進めてゆくか

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