共認運動をどう実現してゆくか?
256916 実現論:序8.新理論の構築をどう進めてゆくか
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 11/09/20 AM00 【印刷用へ
デフォルトが起きるまでに準備しておくべき課題は、共同体企業のネットワーク作りと、それを導く新理論の構築の、二つある。
とりわけ、近代思想に代わる新理論の構築は、不可能に近い超難課題であるが、はたして経済破局までに間に合うのだろうか?

バブルが崩壊した’90年以降、見通し不良と先行き不安から、「この先、どうなる?」という方向へ意識が向かい、滅亡論や陰謀論が登場したが、’11年原発災害以降は、「どうなる?」という情報探索が加速し、予知・予言に対する関心が急上昇してきた。
しかし、予知や予言が一点に収束することはないので、結局は、「現状(=事実)は、どうなっている?」という状況認識に収束してゆく。
おそらく、この先行き不安発の情報探索は、1〜2年後には「放射能はなくならない」「日本経済の没落も避けられない」etc、『もう元には戻れない』という状況判断に収束してゆくだろう。
この『もう元には戻れない』という判断は、状況認識の大きな転換であり、それは脱市場社会への価値観の転換を引き起こす。

従って、おそらく数年後には、脱市場≒ゼロ成長の自然循環型社会への変革気運が高まってゆくだろう。
社会はガタガタで、政府が機能を失いつつある現在の状況は、人々の統合期待に応えて諸子百家が次々と登場した春秋時代に近いとも言える。今回も、社会的な統合気運の高まりを受けて、脱市場社会に向けての理論追求が始まるはずである。

あるいは、あと10年あれば、新理論家が次々と登場してきたかもしれない。
しかし、経済破局までに残された時間は1〜2年(運が良ければ3〜4年)しかない。
いったんデフォルト→リセットに突入すれば、一気に現実が緊迫し、状況は日々刻々と動いてゆく。そうなれば、人々の意識は目先の「どうなる?」「どうする?」に収束し、理論追求どころではなくなってしまう。
しかし同時に、米・中・欧が次々と秩序崩壊してゆくのを見て、根本的な転換の必要が共認されてゆき、それを実現してくれそうな新勢力に対する期待が高まってゆく。

はたして、その期待に応えられるか?
既にこれまでに、新理論がある程度構築されていれば良いが、現在までのところ、そのような新理論は『実現論』以外には見つかっていない。
従って、残された時間の中で、可能な限り、実現論の改稿を進めるしかない。
しかし、私自身は、実現論を改稿するためのまとまった時間が、取れそうにない。私に出来るのは、せいぜい、実現論の序と章立て(全体構成)を考えることくらいだろう。
従って、これまでるいネットに蓄積された秀作群を、その章立てに応じて再編成し、実現論の塗り重ね板を作るしか、手はない。
この塗り重ね板があれば、デフォルト後の大混乱期でも、最低限の認識の組み替えは可能になる。そして、それはそのまま、共認社会を統合する理論統合サイトの原型となる。

どうやら、人々が本格的に認識収束し始めるのはリセット以降となり、本格的な理論追求が始まるのは、新政権が樹立され共認社会に転換した後となりそうである。
デフォルト後の大混乱期には、人々の意識は「どうする?」に強く収束し、社会統合期待は最高潮に達する。
そして、新政権が樹立され、共認社会が建設されてゆく頃には、認識収束が高まり、本格的な理論追求の時代が始まるだろう。
その追求と発信の場として、理論統合サイトが形成されるはずである。
そこでの統合軸は、当然、『事実の共認』となる。
皆の手で構築され、無限に進化してゆく事実の体系は、やがて、人類を導く人類の『鑑』となってゆくだろう。

なお、将来は、全ての工業製品の耐用年数を2〜3倍に上昇させる(例えば、耐用年数に応じて売り上げ税率に大きな差をつける)ことによって、物の生産・運送・販売およびそれに付帯する金融その他のサービスに要する労働時間は、1/2〜1/3に圧縮される。もちろん、必要資源量もゴミの量も半分以下となる。

従って、食糧も含めて物的生産に必要な国民の労働時間は5時間程度に縮小する。
ここで、仮に農共と企業との交代担当制において、企業では従来どおり8時間働くとすれば、農村共同体での労働時間はわずか2時間となる。いったい、残りの時間は何をするのか?
これは、まったく新しいスタイルの生活が始まるということであり、大胆な頭の切り替えが必要になる。
実現論では、共認圧力に基づく評価競争の社会になると予測されているが、おそらく余力時間は、「集団をどうする?社会をどうする?」という統合課題をはじめとする、さまざまな未明課題を追求する時間となるだろう。言わば、大衆による、創造の時代の始まりである。
次の共認時代は、人類の頭脳進化の時代になると期待したい。
 
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 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
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