共同体社会の実現
256788 実現論:序7(上) 国家紙幣によるゼロ成長の経済運営
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 11/09/15 AM00 【印刷用へ
【新勢力の政策方針】

それでは、リセット後の大混乱の中で、共同体企業のネットワークを中核とする新勢力が打ち出すべき政策は、何か?
次の社会が共認社会である以上、当然、『共認社会の実現』が、リセット後の全ての社会運営の大目標となり、経済運営の大前提となる。

まず最初に断行する必要があるのは、中央銀行の廃止と国家紙幣の発行である。

そして経済運営としては、自然に適応した循環型社会に転換するために、ゼロ成長を基本としつつも、農と新エネルギーの振興に重点を置く必要がある。
ゼロ成長とは、簡単に言えば、売り上げUPゼロ、従って給与UPゼロ、預金UPもゼロということであり、何がしかの余裕蓄積(企業の利益蓄積や家計の貯蓄)が必要になるが、その必要分は、国家が企業と国民に新紙幣を配給すれば足りる。ただし、インフレを沈静化させる必要があるので、最初は最低限度分のみ支給し、インフレが治まるのを見ながら追加支給をしてゆくことになる。
また、マイナス1%成長とは、売り上げマイナス1%、給与もマイナス1%ということであり、これは物価がマイナス1%になる(or物価が同じなら物量がマイナス1%になる)のと同じである。従って、もしゼロ成長に戻す必要があるのなら、その場合は、その1%分の国家紙幣を国民に支給すれば足りる。

同時に、市場ではペイしないが、社会に絶対必要な生産活動、すなわち農業や介護や新エネルギー開発etcに対する大型の助成が必要になる。(ただし、助成金を一律にばら撒くのは愚策であり、農業や介護については、例えば売上高に応じてその50%〜150%を助成する生産高方式をとる必要がある。)
当然、財源が問題になるが、初めの一年間で市場の回転に必要な国家紙幣を支給して以降は(=2年目からは)、国家支出=税収を厳格に守る必要がある。そうでなければ、国家紙幣が水膨れしてゆき、インフレになってしまう。
従って、税の取り方が重要な課題となるが、税制の基本は、所有税(土地や株式の所有税や相続税)を重くし、次に消費税(売り上げの例えば3%という形の売上税が望ましい)、そして生産税(所得税や法人税)を軽くすることである。
これは、何も生産していない単なる所有者の税負担を重くし、生産者の税負担を軽くすることによって、社会と経済の活性化を促そうとする政策である。

例えば、土地所有税を3%に引き上げ、相続税を65%に引き上げるだけでも、相当の税収と、地価下落による投資需要の増大が期待できるが、国家紙幣体制の下では、もっと別の財源が新たに生まれる。
それは、国家が銀行に貸し出す資金に1%の金利をつけることである。
それだけでも、6兆円ほどの金利収入が得られる。
これまでは、逆に国家が銀行etcに1%以上の国債利息を支払ってきたのが、まったく逆になるわけである(日本の場合は、日銀から政府に一部返還されているが、これまでに円売り・米債買いで生じた欠損は金利1%どころではない)。
特にリセット後2〜3年は、誰も銀行に預金しようとはしないので、銀行は企業に貸す資金の大半を、国家からの借り入れに頼るしかない。
従って、農業や介護や新エネルギー開発に対する大型の助成を実施しつつ、国家支出=税収を守ることは十分に可能である。
 
  List
  この記事は 256697 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_256788
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
354338 コロナショックに始まる古い世界の崩壊と新しい可能性 山水清輝 20/03/07 PM09
261616 追求し続けてくれる安心感☆.。.:* いいじゃん☆ 12/02/22 AM01
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(1)プロローグ 「金貸しは、国家を相手に金を貸す」 12/01/12 PM00
『実現論:序』国家紙幣によるゼロ成長の経済運営 「金貸しは、国家を相手に金を貸す」 11/12/08 PM09
257980 必要なのは成長政策ではなく、ゼロ成長で何をすべきかという新しい発想 田野健 11/10/25 AM03
共同体社会の実現に向けて−2 〜実現論 序1. 近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機(上) 〜 「日本を守るのに右も左もない」 11/09/19 AM00
共同体社会の実現に向けて−2 〜実現論 序1. 近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機(上) 〜 「日本を守るのに右も左もない」 11/09/16 AM10
256822 実現論:序7(中) 企業を共同体化し、統合機関を交代担当制にする 岡田淳三郎 11/09/16 AM02

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
自我ではなく、共認こそ原点である
自我とは?(フロイトとラカン)
個人主義<=>全体主義 と、利己主義<=>利他主義
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
市民という言葉の欺瞞
自然法、基本的人権とは何か−1
自然法、基本的人権とは何か−2
自然法、基本的人権とは何か−3
前夜の意識状況3 無用となった感応観念(価値観念や規範観念)
構造認識の現況1 否定意識や自我観念から脱却できない近代人=現代人
構造認識の現況2 特権知識階級の商売道具と化した「構造認識」
構造認識の現況3 既成観念の全的否定
観念パラダイムの逆転1 現実捨象の倒錯観念から、観念捨象の現実直視へ
観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考
観念パラダイムの逆転3 現実とは、人々の意識である
「現実=自分自身」は事実認識(構造論)の核心部
新たなグランドセオリーとしての実現論1−グランドセオリーとは何か
新たなグランドセオリーとしての実現論2−傍観者、あるいは引きこもりとしてのアカデミズム
近代思想は宗教と同根
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
若者が実感できる『旧観念』
「何でだろう?」を封印してきた価値観念
同化に不可能視はいらない
相手の感情を前提にしたら『権利』など崩壊する

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp