共認運動をどう実現してゆくか?
256655 実現論:序6(上) 新時代を開くのは、共同体企業のネットワーク
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 11/09/11 AM00 【印刷用へ
【共同体社会を実現するのは、共同体企業のネットワーク】

序2で、これまでの私権社会を動かしてきたのは、武装勢力や金融勢力であることを明らかにしたが、それでは、次の共認社会を動かす中核勢力は、どのような勢力になるのだろうか?

共認原理の社会とは、万人が状況を共認し、課題を共認し、規範を共認することによって統合される社会であり、そこでは、社会を統合するのは、共認力となる。
(共認力は、猿・人類に普遍の統合力であるが、民主主義の信者をはじめ旧観念派が生息している間は、それらを倒す制覇力ともなる。)
従って、共認社会の中核勢力とは、何らかの新たな共認勢力である。

そう書けば、何のことだか掴み所がないが、個々の集団を超えた超集団的な地平にあって、社会を統合する共認勢力は、すでに存在している。
それは、大学とマスコミである。
そして、それらの教宣機関こそ、自我を暴走させ、人類を滅亡の淵に追い込んだ、民主主義や市場主義をはじめとする近代思想の砦である。

従って、大学やマスコミに代わる新しい共認勢力こそが、共認社会の中核勢力となる。
では、それは、どのような勢力で、どのようにして形成されてゆくのか?

序2で明らかにしたように、人々が目指している新しい社会とは、共認社会であり、その基礎単位は、共同体企業である。
従って、それを実現するのにもっとも適した運動体は、共同体として先行する企業群の何らかのネットワーク以外にはない。
この企業ネットワークは、リセット後の大混乱のなかで、一気に勢力を拡大して新政権を樹立する運動の中核勢力となるが、そのためには、この新勢力がリセット前に登場し、ある程度まで次の共認社会を導く理論面および組織面の準備を整えておく必要がある。

果たして可能なのか?
まだ、一定の時間が残されているとして、その実現基盤を考えてみよう。

もっとも根底的な実現基盤は、序2で示した私権収束から共認収束への人々の意識潮流の大転換である。
それに伴って、人々の活力源も、私権欠乏(自分の地位や財産の欠乏)から共認欠乏(人々の期待に応えて得られる充足の欠乏)に大転換した。
いまや大半の経営者が、これまでの私権圧力では社員の活力を引き出せなくなったことを、肌で感じている。さらに過半の経営者にとって、これからは「社員の活力の高い会社が勝つ」「女が元気な会社が勝つ」という状況認識は常識となっており、従って、社員の活力の上昇が中心的な戦略目標となっている。


【企業の共同体化を妨げているのは、古い観念】

このような意識潮流or土壌のなかから、共同体志向の企業も次々と生まれてきている。
しかし共同体志向の企業は決して多くはない。まして、明確に共同体を目指す企業は、ごく少数である。

それは何故か?
時代が未だその段階まで来ていないからか?それとも、単に古い認識から脱却できずに、認識転換が遅れているだけなのか?
共同体企業として先行する類グループの実感のなかから、その答えを導き出してみよう。

我々は、’72年、類設計室を設立し、これまで水準以上の利益率を維持しながら、いくつかの新事業を加えて拡大してきた。
そのことが実証しているように、貧困が消滅し私権が衰弱し始めた’70年の段階で、すでに共同体を建設することは可能だったのである。
追随する企業がほとんどいなかったのは、共同体を導く新理論が存在しなかったからだろう。

しかし、実は私は、この40年近い期間、「共同体の時代である」と感じたことは一度もない。ようやく「共同体の時代がきた」と実感できるようになったのは、’10年である。
それは、潮流が変わったからであるが、おそらくそれは、’02年、私権収束を導いてきた私権観念(私権を正当化してきた観念群)が瓦解し、人々が収束先を見失って収束不全に陥ったところが起点になっている。
それ以降、一気に潜在思念の期応収束と課題収束が強まると共に、近代を貫いてきた否定(意識)と要求(意識)も息の根を止められて終息した。
このとき共同体は、本当の実現過程に入ったと言えるだろう。
ただ、それが、会議体制に代わる社内ネットの活性化として開花するのに、さらに10年近くを要したということだろう。
実際、共同体志向の企業が目に見えて増えてきたのは、’02年以降である。

以上から判断して、共認収束を強める人々の潜在思念の出口に蓋をし、その前進を妨げているのが古い観念であることは明らかであり、従って、各企業が一直線に共同体に向かえないのも、認識転換が遅れているからに過ぎないと見ていいだろう。
従って、旧観念に代わる新しい認識さえ与えられれば、中小企業を中心に多くの企業が共同体への転換を模索し始めるだろう。

また、原発災害を契機に、多くの経営者が守りに入ったが、危機対応策の一つとして、そろそろ共同体企業のネットワーク化を考えるべき時期にきている。これも追い風となるだろう。
 
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