生物の起源と歴史
25546 性分化のパラドックス、その1
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 02/03/03 PM10 【印刷用へ
性分化(オスメス分化)の適応戦略については、F因子なども含めてこの会議室でも議論したテーマですが、中々興味が尽きないですね、皆さん。実現論に以下のような記述があります。

>生物が雌雄に分化したのはかなり古く、生物史の初期段階とも言える藻類の段階である。それ以降、雌雄に分化した系統の生物は著しい進化を遂げて節足動物や脊椎動物を生み出し、更に両生類や哺乳類を生み出した。しかし、それ以前の、雌雄に分化しなかった系統の生物は、今も無数に存在しているが、その多くは未だにバクテリアの段階に留まっている。これは、雌雄に分化した方がDNAの変異がより多様化するので、環境の変化に対する適応可能性が大きくなり、それ故に急速な進化が可能だったからである。<(実現論1_2_00

ところが、

>人の脳においては、女性から男性へ分化するということですが、女性から男性への分化って、何のためなのだろう?と思ってしまいました。<(25196、長谷川さん)

人間の脳(体)は本来は女であるようになっていて、男性ホルモンであるアンドロゲンのシャワーによって女性脳が男性脳に転換するというような記述を見ると、まるで、オスはたまたまオスになってしまった付け足しのような…。雌雄の分化は必然であるが、♂の分化は♀の上に塗り重ねられている??

さらに、

>オスは、おそらく、淘汰される性なのです。肉体も行動も個体差が大きく、病気に弱い。オスは平均的にメスより脳下垂体前葉が大きく、もっぱら男性ホルモン(テストステロンなど)の作用でメスより攻撃性が高いといわれています。<(25213、蘆原さん)
 
人間のオス性を示す性染色体Yは本当に小さいですからね。Xに比べて遺伝子の数もうんと少ないようです。「オスは淘汰される性」とは、悲しいですね。オスはメスや集団を守るために淘汰される存在。まるでオスは死ぬために生まれたような…。片方の淘汰を持って、オスメス分化は必然??

やはり、何か性分化についての認識が間違っている、あるいは言葉足らずのように思います。まるで、性分化のパラドックス!!。


まずは、人間の性分化についてしっかりと状況を認識する必要があると思います。

「性染色体(XX,XY)の性別は受精のときに決定してしまうが、その他の性腺、内性器、外性器などの違いは、少なくとも個体発生の初期には男女どちらの方向にも分化しうる未分化型のものがどの個体にもあり、それが発生の段階で男性型か女性型かに分化してゆくことによって男女の違いができあがる。」(『脳と性』下河内稔:朝倉書店)

私はそもそも未分化の状態(A)をメスと捉えることが間違っているのではないかと思います。A→♂or♀であって、♀→♂or♀ではないことを、まず認識すべきでしょう。これは直観的に捉えて、「個体発生は系統発生を繰り返す」という点に関連させても、あるいは「生命体は進化積層態である」ことからも、メスを初めに置くと論理的にもおかしくなります。人間だけの問題ではありませんしね。

次回この点についてをもう少し詳細に述べたいと思います。
 
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