日本を守るのに、右も左もない
255242 農(漁)村共同体の建設
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 11/08/07 AM08 【印刷用へ
最後に、最も時間のかかる課題として、農村共同体の建設がある。
これは、単なる農の振興策にとどまるものではなく、「教育をどうする?」というもっと大きな問題に応える必要があるためである。

市場拡大によって、生殖と生産という二大課題が分断され、生産活動を失った密室家庭は、教育機能をほぼ全面的に喪失してしまった。その結果、勉強しか出来ない子や、周りとの関係が作れない子や、引きこもりetc、精神破壊が深く進行中である。
どうするかだが、もともと子供たちの健全な心を育むには、自然に触れる作業が最も適している。従って、農漁業を手伝いながら学ぶ体制を作ればいい。そのためには、農漁村に全寮制の幼・小・中・高校を作り、5才以上の子どもを密室家庭から引き離す必要がある。

それは親に対しても、「自分の子ども」という私有意識からの脱却を図ってもらう試みとなる。
従って、手順としては、まず高校から始め、中学・小学・幼稚園の順で進めてゆくこととなる。
農漁村にこれら全寮制の学校を建設し終わるには15年くらいかかるが、特に当初5年間は、大幅に落ち込んだ需要を刺激するカンフル剤としての効果も、大いに期待できる。

それと平行して、農(漁)村への人口移動と農(漁)村共同体の建設を進める必要がある。
はじめの5年間は、統合機関の交代担当制によって生じる学者や官僚や公務員(教師を含む)やマスコミの社員、あるいは仕事が半減する金融機関の社員たちを再教育して、農(漁)村共同体の建設にあたってもらう(もちろん農作業をしながら)のが良いだろう。

さらに最終的には、民間企業の半数を農(漁)村の近くの適地に移し、全ての国民が農村共同体を拠点として農共3年・企業3年ぐらいで交代担当する体制を目指す。
労働人口は、農(漁)業が10%として、建設業の7割、運輸販売業の6割、製造業・金融業・その他の4割を、農(漁)村近くに移せば、農村:都市の労働人口は5:5ぐらいになる。

なお、将来は、全ての工業製品の耐用年数を2〜3倍に上昇させる(例えば、耐用年数に応じて売り上げ税率に大きな差をつける)ことによって、物の生産・運送・販売およびそれに付帯する金融その他のサービスに要する労働時間は、1/2〜1/3に圧縮される。もちろん、必要資源量もゴミの量も半分以下となる。

従って、食糧も含めて物的生産に必要な国民の労働時間は5時間程度に縮小する。
ここで、仮に農共と企業との交代担当制において、企業では従来どおり8時間働くとすれば、農村共同体での労働時間はわずか2時間となる。いったい、残りの時間は何をするのか?
これは、まったく新しいスタイルの生活が始まるということであり、大胆な頭の切り替えが必要になる。
実現論では、共認圧力に基づく評価競争の社会になると予測されているが、おそらく余裕時間は、「集団をどうする?社会をどうする?」という統合課題をはじめとする、さまざまな未明課題を追求する時間となり、次の共認時代は頭脳進化の時代になると期待したい。

(続く)
 
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