健康と食と医
252718 低被曝線量での人体への影響
 
辻一洋 ( 45 北海道 企画 ) 11/06/08 PM10 【印刷用へ
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に転載された専門医の手記です。
以下転載

 放射線による初期症状は、外部被曝の量と内部被曝の量、年齢で、大きく違ってきます。比較的近い地域でも、ちょっとした風向き、地形差で、被曝の様式も大きく変わります。言いにくいことではありますが、既に初期症状が現れても不思議は無いだけ時間が経過したと考えています。私は、チェルノブイリの被曝者を診ていますし、仕事柄調べてはいますが、被曝線量が多い場合ではなく、低被ばく線量での影響が専門です。

 福島第一の近傍と他県でもホットスポットと、たとえば東京とでは、症状の出方に差がある被曝線量です。ただし、東京神奈川でも、屋内に放射性物質が付着した塵が多ければ、相応の症状があっても不思議はありません。

 最初期のドライベントで、短寿命核種も放出があったのですから、それによって、鼻腔粘膜の細胞死数が増えて、炎症が起きることがあります。粘膜は、数日で元に戻るのですが、日々放射性物質を吸収していれば、微粘膜に付着し続け、炎症が続き、特に副鼻腔に蓄積すると、排出が困難なため、副鼻腔炎を起こし、さらに細菌感染しやすくなります。上咽頭まで炎症が起きれば、咳がでます。鼻血は、初期で止まると思います。止まらなければ、空気中の粉塵に付着している放射性物質量が多いと推定されます。初期には、皮膚の皺、指の爪の間に溜まり、皮膚炎、爪の割れ、さかむけ、などがおきます。食事等での摂取が多いと、消火器、特に、腸の粘膜にダメージが多くなり、軽度で続く下痢、軽い腹部の痛みがおき、毒性の強くない細菌による食中毒様の症状を起こすこともあります。その場合、腹痛と一過性の吐き気、下痢です。

 時間が経過し、体内への蓄積量が増えると、指先では抹消神経炎のような鋭い痛み、皮膚の発赤、繰り返す気道感染が、小児と20代後半から30台前半に多く現れます。感染症の場合、熱が出て、感染症と診断されると思います。最初の影響は、細胞数が面積当たりで少なく、細胞層が薄い組織から異常が始まります。そのため、皮膚の弱い人では、より炎症が激しくなり、指等の関節が痛むことがあります。この場合はアレルギーと診断される可能性が高いと思います。

 内部被曝が高い場合、内分泌系に異常が起き、体重減少や生理の遅滞、生理の異常が起きます。小児は、おとなしくなってきます。小学校高学年から中高校生は、ホルモンの分泌が非常に多い時期なので、あまり変わらない可能性が高いのですが、20代後半から30代前半ではだるさを感じ始めるとおもいます。

 妊娠での問題は、妊娠初期の細胞数が少ない胚の段階では、1細胞へのダメージは初期流産(被曝しなくても普通にある)に直接繋がります。妊娠最初期では妊娠に気付かないこともあると思います。分化が起きている時期での被曝は、四肢や指の分化不全を起こすことがありますが、流産にならないこともままあります。妊娠後期では、乳児と同じ考えても大きな違いはありませんが、内分泌にダメージがあれば、生後の知能と成長が良くはなくなります。チェルノブイリでは、それらが起きた地域と同等の被曝レベルの地域が日本でも広い地域にあります。

 内部被曝線量の高い方々では、免疫の低下は、既にあると考えてよいと思いますが、その症状の出方は、個人差が大きく、最初は、上気道感染と腸管感染が主だと思います。なお、副鼻腔炎から中耳の炎症を起こすこともあります。

 最も大切なことは、それぞれのご事情があって難しいとは思いますが、被曝線量を減らすことです。そうできるように、ご家族を説得なさってください。被曝の場合、症状の軽減はあまりありません。ご家族に説明される時の一助になればと思います。なお、40台以上での影響は、急速に少なくなります(だからと言ってないわけではありません)。

免疫を落とすステロイドの使用は、注意してください。
 
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