生命原理・自然の摂理
252708 江戸時代に豊かな循環社会が形成されたのは、寺子屋での実学教育によるところが大きい。
 
松尾茂実 ( 45 佐賀 経営コンサルタント ) 11/06/08 PM05 【印刷用へ
> 奈良時代以降の自然破壊のツケで17世紀の中頃までに日本の原生林はほとんど無くなってしまい、今と同じように 森林は荒廃していました。樹木の無くなった山からは土壌が流れ出し、少し大雨が降ると洪水が起き、降らないと川が干上がってしまう、水質は悪くなるし、川や沿岸からは魚介類が減ってしまった。< 244745

この危機を受けて、江戸幕府は全国に造林を推奨しましたが、それだけでは循環社会は形成できなかったでしょう。

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 一般に、都市化は自然環境にダメージを与えます。そのような意味では、物質循環における負の要因となりかねません。ところが、江戸時代は豊かな循環社会を可能にしました。
そのキーワードは、1.都市部の糞尿・草木灰、2.干鰯(ホシカ)、3.鳥です。

1. 都市部の糞尿・草木灰は買い取られて肥料として近郊農地に投入された。それらの有機物質は、河川を経て海に至り海を豊かにした。
      
2. 干鰯(ホシカ)は鰯から灯明用の油を絞った後のカスだが、それを肥料として農地に投入する流れが出来た。それが重力で海底に滞りがちな栄養素を物質循環にのせることになった。また、干鰯が刈敷に取って代わる事で里山のダメージは減った。

3. 鳥は海や里の水田の小動物や植物の種を食べて奥山で糞をする。これが貧栄養化しがちな奥山に栄養素をもたらし、同時に植物の進出をうながした。(*中国の朱鷺保護センターの事例では、1羽を飼育するために1日当たり約500g、年間約181kgの水性生物や昆虫が必要だそうです。鳥は、意外と大食漢です。)
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『新しい「農」のかたち』リンクから引用

江戸時代の循環システムは、偶然に形成されたのではなく、明らかに意図して作られた社会です。

> こうした森林と土壌と川や沿岸の魚貝類の成育との関係は寺子屋でも教えたらしく、教材が残っている。
 森林を守ることが、日常生活に必要な「読み書きそろばん」と同じく重要視されていた < 244745

江戸の循環社会を作り出し、300年間も維持できたのは、地域に密着した寺子屋での実学教育によるところが大きいです。

現代は科学技術は進歩しているはずですが、自然の摂理に則った実学は江戸時代の足元にも及びません。その象徴が原子力技術であり、エネルギーを取り出す研究だけは進んでも、廃棄物をどう処理するかはほとんど手付かずのまま放置されています。

新しい社会を構築するためには、自然の摂理に則った、みんなが必要とする実学を学ぶ場を作ることが急がれます。
 
 
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