実現論を塗り重ねてゆく
252013 中国の環境問題は既に2200年前に発生していた。
 
田野健 HP ( 50 兵庫 設計業 ) 11/05/26 AM00 【印刷用へ
黄河の水は黄色く濁っている。しかしかつてはこの河の水は長江同様に透き通っており、この黄河という命名は後代に付けられた。
黄河流域はかつては豊かな森林だった。有史以前には象も生息しており、狩猟をするには絶好の土地であった。旧石器時代にはすでに何万年も前から人が居住しており、北方という緯度以上に住みやすい温暖な環境にあったと思われる。この黄河の森林が失われたのは気候ではなく人間の手による人災であった。それも今から2000年前には深刻な環境問題が顕在化していたのである。
既知の事実ではあるが、この事は中国文明を押さえる上で誰もが知っておくべき事柄だと思い、投稿しておきたい。

【森林破壊の歴史年表】〜著書「NHKスペシャル4大文明」
8000年前 豊かな森林に囲まれ生命感のある土器文化が生まれる
3800年前(殷代)華北にも贅沢な原野が広がり野生動物が生息する
3060年前(周代)各地に封邑がたち、耕地拡大による森林伐採が始る。
2790年前(春秋時代)宮殿や墓の規模が増し、多くの巨木が伐採される
2485年前(戦国時代)殖産の奨励によって、森林が急速に耕地へと変わる
2231年前(秦代)大土木工事が展開され、遠方の森林まで破壊を受ける
2216年前(前漢時代)森林資源の枯渇が深刻な問題になる
2035年前(後漢時代)木に代わる建材として磚(せん)が広く使用されはじめる。
3000年前から1500年前の間に黄河流域の森林面積は半減、さらに現代では数パーセントまで激減している。

以下は農林水産省HPでまとめた中国の森林伐採史である。
上記の年表をより詳しく解説してくれている。
リンク
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>現在は荒涼とした黄土地帯が広がる黄河中流域は、紀元前5000年頃には森林に覆われていたことがわかっており、アワやヒエの栽培のかたわら、狩猟や採集が行われていたとされている。この頃に造られた土器や後の殷代の玉器には、様々な獣や鳥、魚の姿がかたどられており、豊かな森林や清流のあった様子を物語っている。紀元前1600年頃に成立した殷やそれに続く西周の時代には、陶器の製作や、銅と錫の合金である青銅器の製造が本格化し、燃料としての木材の消費が増えていった。紀元前8世紀以降の春秋時代、戦国時代には、大型化した宮殿や墓に大量の木材が用いられ、農地も急速に拡大して森林が減少していった。この時期には鋳造鉄器が生産され、巨木の伐採や根株の除去も容易になったと考えられている。

 紀元前221年に、国家を統一した秦の始皇帝は、大規模な宮殿建設や長大運河の開削等数々の大事業を行った。自らの陵墓の副葬品とした8,000体に及ぶ等身大の兵馬俑を焼成するには、途方もない量の木材を燃料として消費したはずである。また、これらを納めた兵馬俑坑が巨大な木造の天井で覆われていたこともわかっている。このような大量の木材消費による森林の急速な消失により表土の流出が深刻化していった。文明を育んできた流れが黄土の色で染まり、「黄河」と呼ばれるようになったのは秦に続く漢の時代からである。

 現在では、黄土高原一帯の森林はわずか数%にまで減少しており、国を挙げて緑の回復事業が行われている。
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これら黄河の環境破壊の実態からして急激な人の移動、人口の増大が考えられる。
おそらく、8000年前の温暖化で拡大した森林ができたことで、住みやすい北方森林地帯で一気に定住適応しそれ以降断続的に華北一体で人口は増えていたのだろう。紀元前までの急速な人口の増加、それに伴う農地の拡大という側面もまた中国の市場社会を同時に拡大していった引力になったのではないか?
 
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309624 中国の環境破壊まとめ(水不足/大気汚染/商品汚染/食品汚染) 向芳孝 15/11/23 PM08

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8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
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