環境破壊
249503 放射性廃棄物『スソ切り』の本質と問題点1
 
福田尚正 ( 36 福岡 ) 11/04/14 PM10 【印刷用へ
248990『狂気の近代科学技術』
>原発は、発電が終わってからも狂気の沙汰はずっと続きます。それは放射性廃棄物です。

放射性廃棄物管理の問題(技術的にも政策的にも未解決)の深刻さを知った。当面の課題に続き、この問題を直視すれば、日本も脱原発へと舵を切ることが英断であると気が付くのではないか。誤魔化し(以下の『スソ切り』もその一つ)はもう許されない。

以下、リンク「放射性廃棄物『スソ切り』の本質と問題点」(埼玉大学名誉教授・市川定夫さん、2002年3月16日)より転載。
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●1章「廃炉の解体が招く『スソ切り』」リンク

 今日、お話したいのは、「スソ切り」がもっている背景とその本質です。1966年に日本で最初に稼動した東海村の小さな原発、東海第一原発のガス冷却炉(16万6,000キロワット)は、1998年3月31日に廃炉となり、廃炉届が提出されたあと、2001年12月から解体工事が開始されています。

 それ以前にも、東海村の原研の実験用小型原子炉JPDRが解体され,その小型の原子炉ですら、総量24,440トンもの廃棄物が出ました。そのうち放射性廃棄物が15%、その他は非放射性廃棄物とされて、非常にたくさんの廃棄物が出るということがわかりました。また、通常の原発運転によって生じる放射性廃棄物とは大きく違って、その大部分が鉄材とコンクリート材ということが実証されました。しかし、それは自明の理でして、当初から廃炉解体の問題点として指摘されていたことでした。今後もどんどん加圧水型と沸騰水型の軽水炉の解体が始まりますが、JPDRの解体を参考に、政府は原発の解体を進めていこうとしているのです。原発の新規立地が困難ななか、既存の場所を使って、新しい原発に変えていこうという政府の方針があって解体が進められようとしています。実際にやってみたら非常にたくさんの廃材が出ました。しかも、それが鉄とコンクリートという非常に重く、しかもかさ張るものなのです。解体をすれば大変なことになるとは最初からわかっていました。原発の使用済み核燃料は、六ヶ所村に持ち込もうとしているわけですが、それをいつまで置いておくか、また、その後どこに持っていくかは決まっておりません。すべて未定なのです。まして解体に伴うものすごい量の廃棄物をどうするのかは決まっていません。解体によって出てくる膨大な廃棄物の量を減らすためには、できるだけ多くの量を放射性廃棄物として取り扱わないという方策を取るしかない。そこで、自然の放射線の平均量の100分の1くらいなら大丈夫だろうということで、0.01 mSv以下なら放射性廃棄物として取り扱わないでいいようにしようというのが、政府や電力会社の方針なのです。それを可能とするために、今後検討し、法制化していこうとしているわけです。解体に伴って出てくる、かさ張って、しかも重くやっかいなものを、法令の緩和によって、処分可能にしようとしているわけです。

 原発を進めてきた側は、何か不都合に出会うと、不都合を解消するために法令を緩和してきました。私は、一貫して原子力に「安全性」はありえないと言ってきました。原子力には「危険性の低減」しかないと言ってきたのです。しかし、政府や電力会社は原子力の危険性を最小限にする方向は選ばずに、むしろ法令を緩和することによって、「スソ切り」を可能にしようとしており、それは次の問題、「スソ切り」をされた廃棄物が再利用されて放射線被曝を伴う問題をひき起こします。当面の問題を解決するために次の問題をつくっていくという、今までの原子力開発で起きたのと同じことが行われることになるのです。

(1章後略)
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※次稿「2章:放射性被曝は微量でも危険」へ続く。
 
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