暴走する悪徳エリートの所業
248833 3.11 後の原子力・エネルギー政策の方向性 ~二度と悲劇を繰り返さないための6戦略~B
 
志水誠 11/04/06 AM03 【印刷用へ
「3.11 後のエネルギー戦略ペーパー」No.2より転載 続き
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 C 実測データと予測に基づく科学的な根拠で避難地域と対策を再設定し、被災者のケア徹底
現状の同心円で定めた避難地域や屋内退避地域は、もはや意味をなしておらず、これを継続することは、地域住民の健康と安全を脅かすだけでなく、不安をいっそう煽ることにもなる。
 今後は、実測データと予測に基づく科学的な根拠に基づき、現在の避難地域と対策を再設定し、これの実施を徹底するとともに、原発震災による被災者へのケアとフォローアップを徹底して行う。

 D 被曝の懸念される作業員および周辺公衆の長期的な追跡・ケア体制の構築
大量の被曝を強いられている作業員や晩発性の放射線影響も懸念される周辺公衆については、長期的な追跡調査体制を構築した上で、全数の長期フォローアップとケアを実施する。そのため、作業員や周辺公衆に対して、「福島原発被曝手帳(仮称)」を配布することを提案する。また、手帳所持者の被曝治療については、当事者負担をゼロとする。
 
 E 恒久的な事故処理機関の設立
福島第一原発の事故は、収束に複数年単位の期間を要し、その後の管理は 100 年単位に及ぶことは避けられない。したがって、これに対処するための恒久的な事故処理機関を設置する必要がある。その資金は、東京電力からの拠出のみならず、高速増殖炉もんじゅを所管し年間 2000 億
円にものぼる予算で運営されている(独法)日本原子力研究開発機構の予算を振り替えることを前提として、原子力発電施設解体引当金や再処理等積立金など、既存の原発予算を転用する。人員についても、日本原子力研究開発機構など既存機関の人員を活用することを基本とするが、「原発震災管理官」をトップとする責任所在の明確なガバナンスを確立し、トップクラスの国際研究機関の参加を得て、実効性ある体制を整える必要がある。

 F 産業への影響把握と対応
福島第一原発事故は、近隣の農産物の国内での販売困難化だけでなく、海外への輸出について、農産物だけでなく、鉄鋼などの素材工業製品、機械製品その他が日本産であるということで禁止されたり個別検査を余儀なくされ、いったん放射線量などが先方の基準をこえれば船舶ごと返される事態も生じている。また海外からの観光客は激減し、航空便や船便自体が運行停止になったところもある。このように原発事故が日本の産業全体に危機をもたらし、日本の産業の国際競争力を破壊しつつある。雇用への影響も計り知れない。海外が日本に向けている不安は、日本製品は「健康にただちに影響するレベルでない」などという説明で取り除くことはできないし、WTO の自由貿易原則をたてに輸入を迫っても受け入れられるわけがない。上記1~6の対処を行うことが不可欠である。

 G 東京電力が全賠償責任を負った上で、不 足 分 は原発埋蔵金(再処理等積立金約3兆円等)を活用

 福島原発で被災した方々の健康や財産への補償とその後のフォローアップについて、事業
者である東京電力による賠償責任を大前提としつつ、国は全面的に支援する。国が補償するに当たっては、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターにおよそ3兆円(2011 年4月現在)積み立てられている再処理等積立金を優先して充当する。その他、原子力関連の独立行政法人や公益法人を徹底精査し、補助金を全面的に引き上げるとともに、積立金等がある場合、それを充当する。

 Cに続く
 
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