現代意識潮流を探る
248204 今こそ日本人の共同体精神が発揮される時
 
雪竹恭一 ( 48 大阪 営業 ) 11/03/29 PM03 【印刷用へ
今回の東北関東大地震は、明治維新(欧米の侵略圧力)、関東大震災、第二次世界大戦敗戦に匹敵するぐらいの国難であるとも言われている。すさまじい逆境の中で、日本人の真価が問われる状況になっているのは間違いない。

しかし、私も必ずや日本人はこの国難を克服できると信じる者の一人である。そう信じる理由は以下の点にある。

@日本人の同化能力と共認収束力
多くの日本人が、被災者の状況に同化し、なんとかしたい、なんとか役に立ちたいと思っている。日本全体が心を一つにして連携・協力しようとする意識潮流が生まれている。

A「自分よりみんな」の意識の顕現
多くの日本人が、地震の復旧対策に必要な支援をすることを優先させるべきことを理解している。計画停電で不便を強いられたり、ガソリンや食料等の物資が不足したりしても、大きな混乱は起こっていない。多少の混乱はあるものの、自分のわがままよりみんなの方が大事だと思っていることの現れと考えられる。おそらく、多くの人が節電・節約することによって地震の影響が軽減できるのであれば、協力しようと思っている。

海外からは、災害時でも暴動や略奪が起こっていないことに対して驚きの目で見られているようだが、日本人にとってはむしろ当たり前の感覚だろう。

B「必要か否か」の意識の顕現
節電・節約の意識が高まっているのに伴い、本当に必要なものは何か?という意識も高まっており、たいして必要のないものは買い控えられている。原発は本当に必要なのか?という疑問はその象徴と考えられる。

C「遊びの失速」の加速
多くの日本人の不全感(適応欠乏)を直撃し、「遊んでいる場合ではない」という意識が高まっているのは間違いない。プロ野球の開催延期やレジャーランドの休業等はその象徴である。

D私権より公益への収束
@〜Cの意識の高まりを基盤にしていると考えられるが、多くの企業やボランティアが、利益を度外視して復興支援に協力している。水や食料、乾電池や懐中電灯、紙おむつ等の支援物資を無償提供する企業も多く、自動車業界、建設業界等、普段は競争しあっている企業が、業界全体で協力し合う動きが出ている。

政府の動きは心もとないが、多くの民間人のバックアップが復興支援を支えている。(根本的には、公共の利益(国家)は私権(市場)に優先されるという構造が顕現しているものと考えられる。)

Eマスコミ不信と事実収束の加速
とりわけ、この間の一連の原発と放射能汚染の報道は、マスコミ不信と事実収束を加速させていくだろうと予想される。今後、マスコミに代わる事実追求、共認形成の場がますます求められていくだろう。事実追求によって特権階級の無能とゴマカシが明らかになっていくにつれ、当事者として一緒に社会をなんとかしようという機運は高まっていくと考えられる。

これらは、根本的には、縄文以来、古くから日本人が培ってきた共同体的精神によるものであり、今こそ日本人の共同体精神が発揮される時だと思う。今回の大震災の復興は、日本人の可能性を示すものになると思う。
 
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