素人による創造
246696 「物を考える日本人」と「日本への熱い眼差し」の接点とは@
 
匿名希望 11/03/05 PM06 【印刷用へ
■日本人は、実践に貫かれたまま可能性に向かう。

国際金融危機によって既存の社会システムの破綻が決定的になって以来、勉強会の類がますます流行りだし(246101)、仕事の本質に迫る古典的名著がベストセラーとなり(243508)、果ては住民自らに「考える」事を求める首長が地方選で圧倒的な勝利を収めるに至った(245812)。
これらの現象は、一見「物を考える」という、社会レベルとは無縁な思考にも思える(233959)。
しかし、改めて「現在の社会において求められている思考とはどういったものか?」という問いを立ててみれば、この「物を考える」思考が全く的外れでは無いことに気づく。

現在の社会は、豊かさの実現に伴って、更なる経済的発展という可能性が消滅し、これに替わる収束軸=可能性を模索している段階にある。この様な段階で最も求められる思考とは、まず、新たな可能性を社会的な潜在思念の中から発掘し、その上で、その可能性を実現する方針を導きだすことだ。
こういった思考の成果として、人々のより大きな充足を生み出すことができる(=より多くの評価を得ることができる)意識生産の様式が確立されていけば、それは必然的に、旧来型の産業を上回る成果を上げ、社会は「いかに多くの充足を生み出せるか」という評価基準によって再統合されていく。その端緒は既に「共同体企業の躍進(225678)」や「寄附市場の拡大(244654)」といった形で見出されている。

自らの応合性に従い、日々、自分の身の周りで「いかに多くの充足を生み出せるか」と考え、その成果を惜しげもなく周りに伝えていく日本人の性質は、社会構造の転換期に極めて有利に働く。これこそが、日本に三度の無血革命(231243)をもたらした日本人の特質だろう。
四度目は、国外から新たな収束軸が登場しないという違いこそあれ、新たな社会統合観念が共認されるためには、まず、新たな可能性が共認されなければならないのだから、実践に貫かれたまま可能性に向かう(先に実現態を示す)という方針は普遍のものとして受け入れてよいように想う。

先に完璧な観念を作っておいて社会を統合しなければならないというのは、力の原理のみで社会を統合する場合の特殊事情なのかもしれない。既成の観念などというものは、秩序収束によって社会を統合する日本人には、ましてや来るべき充足の原理に基づく社会には、必要ない。ただその時々に必要に応じた方針を共認していけばよい。(現にこれまでも社会秩序を守るために必要な充足規範は、「三方よし」などといった実感に即した形で共認されてきた。)

こう考えると、「日本人に足らない思考」は何もないという事が分かる。日本人は今までも必要なことは十分に考えてきた。それは今も変わらない。戦争という土俵は、草原の民が作り、草原の民が先導してきた。市場という土俵は、金貸しが作り、金貸しが先導してきた。土俵は作った人間が先導するのが道理だ。「日本人に足らない思考」があったから、今までの土俵を先導できなかった訳ではない。「何か足らないものがあるに違いない」と考えてしまうところにこそ、舶来信仰の悪弊がある。
 
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