実現論を塗り重ねてゆく
246232 【仮説】略奪闘争前の、遊牧と農耕の集団形態 B 〜人類史上初の戦争を起こしたのは?
 
麻丘東出 ( 50 兵庫 環境コンサルタント ) 11/02/24 PM04 【印刷用へ
246229【仮説】略奪闘争前の、遊牧と農耕の集団形態 @ 〜母系・父系×母権・父権による分類1/2」
246230【仮説】略奪闘争前の、遊牧と農耕の集団形態 A 〜母系・父系×母権・父権による分類2/2」
を踏まえ、

◆人類史上初の戦争を起したのは? 

@ 飢えの圧力
戦争起源のキッカケは、寒冷・乾燥化などの自然圧力→飢えの圧力。
そうすると、ステップ型遊牧民、農耕民、オアシス型遊牧民の中では、自給自足できていないまずしい牧羊の民である「オアシス型遊牧民」が、最も飢えの圧力に晒されている。

A 小競り合い・交易の日常化
また、「オアシス型遊牧民」は、自給自足できていないことに加え、他部族と最も接近した緊張圧力のなか、斥候・小競り合い・交易・掠め取りが日常化していたと想定できる。

B 戦争を起こすのは、父権!(力の所在が男側)
父権の形態をもつのは遊牧集団になるが、遊牧集団のなかでも、婚姻形態(母系か父系)に違いがある。
ステップ型遊牧民は『母系−父権』、オアシス型遊牧民は『父系−父権』の形態の違いがある。(※この母系と父系の違いが、モンゴロイドと印欧語族の違い!!)
母系集団が解体されれば、血縁的繋がりが薄くなり、集団基盤を解体させていくベクトルが働く。また、母系では女同士の共認が強く安定するが、父系では女が不安定になり性的自我が発芽して集団解体に向かう。

→『父系−父権』の集団は、共同体(共認原理)を解体させていき、同類闘争の高まりのなか、飢えの圧力を契機に略奪闘争の歯止めを失っていく。

★『父系−父権』のオアシス型遊牧民が、5500年前のイラン高原で(依存しない他の農耕部族へ)人類史上初の略奪戦争を起こしていったと考えられる。


そして、5500年前の略奪闘争で、勝ち組のなかのオアシス遊牧民は戦闘部隊に先鋭化し軍隊化していく。また、負けた部族のなかでオアシス遊牧集団の代表がユダヤ族であろう。

また重要な点としては、もともと同じ出自の農耕母集団に依存して存在しているオアシス遊牧民が、同族の農耕母集団を略奪したのではなく、他部族の農耕集団に対し略奪に向かったという点。
例えば、イスラムの大征服時代、定住都市アラブの戦闘部隊として、異教徒の異民族を進撃するイスラム軍の先頭に立っていたのは遊牧アラブの軍隊であった。
また、現在においても、中近東のアラブの国々にベドウィン軍団という遊牧民を主力とする強力な部隊があるが、このべトウィン軍団はオアシス定住農耕民と争うことはなく、オアシスによって各王国を支配している、例えばヨルダンのハシミット諸王家の忠実な親衛隊として役立っている。
つまり、同族の農耕アラブと遊牧アラブの間には緊張関係とか争いは生じていない。
争いは、アラブ民族(農耕+遊牧)と他の部族の間で行われた。



※参考文献
「狩猟と遊牧の世界 梅棹夫」
「遊牧国家の誕生 林俊夫」
「ヨーロッパ≪普遍」文明の世界制覇 中川洋一郎」
 
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