実現論を塗り重ねてゆく
246226 遊牧民の分類 〜狩猟起源の遊牧民、農耕起源の遊牧民〜
 
麻丘東出 ( 50 兵庫 環境コンサルタント ) 11/02/24 PM01 【印刷用へ
農耕の起源となる栽培植物は、二種類に区分できる。

ひとつは、代表的にはイモの類の栽培方法で、土に埋めて「栄養繁殖」させるもの。東南アジア、アフリカ西海岸、南米の北の熱帯多雨地域に限定される。

もうひとつは、穀物すべてとマメ類やトウモロコシなどで、実から種をとってまいて植物をつくり収獲する「種子繁殖」させるもの。オリエント・メソポタミア地方とエチオピア、中国の北西部など気温と湿度が低めの地方に限定される。(この初期の農業が野生麦の栽培化)

7000年前頃に灌漑農業による穀物大量栽培に入る前の段階の農業は、この「栄養繁殖による栽培文化」の型と、「種子繁殖による栽培文化」の型が存在していた。(年代的には栄養繁殖の栽培が古い)

そして、「栄養繁殖による栽培文化」にともなって、ブタ、イヌ、ニワトリなど非牧畜的家畜があらわれてくる。
それに対し、「種子繁殖による栽培文化」のなかから、(穂だけ刈り取られたあとに残った茎を家畜の餌にして)ヒツジ、ヤギなど牧畜的家畜があらわれてくる。

このことから、遊牧につながる牧畜は、狩猟集団からヒツジ・ウマを主力とする北方系(中央アジアのステップ)の【狩猟起源の牧畜〜遊牧民】と、それとは別に種子繁殖による栽培からヒツジ・ヤギ・ラクダを主力とする南方系(メソポタミアのオアシス)の【農耕起源の牧畜〜遊牧民】の二つの遊牧民が考えられる。

その年代は、どちらも家畜の起源からみて、牧畜の段階は、約1万年前頃に発生していると考えられる。

そして北方系(ステップ型)の狩猟起源の遊牧民がモンゴロイド系であり、南方系(オアシス型)の農耕起源の遊牧民が印欧語族系だろう。



◆家畜化の時期と場所

※最古であることを示す証拠があるもの

ヒツジ       10,000年前   西南アジア
ヤギ        10,000年前   メソポタミア周辺
ブタ        10,000年前   シナ南部、西南アジア
牛         10,000年前   東地中海地域
           8,000年前   西アジア
馬          6,000年前   ウクライナ
ロバ         6,000年前   エジプト
水牛         6,000年前   シナ
フタコブラクダ    4,500年前   北イラン〜トルキスタン
ヒトコブラクダ    4,500年前   アラビア



※参考文献
「狩猟と遊牧の世界 梅棹夫」
「ヨーロッパ≪普遍」文明の世界制覇 中川洋一郎」
 
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