実現論を塗り重ねてゆく
246219 「マンモスハンター」という嘘 【その1】
 
火中の栗 ( 40代♂ ) 11/02/24 AM02 【印刷用へ
リアルに考えれば到底無理だし、その必要性も薄いということに気付かされる。

■以下引用リンク_________________________


縄文への道『ヒトは本当にマンモスを殺したか?』



人類強者論の欺瞞

ここまでヒトは究極の弱者だったことを検証してきました。ところがこの弱者が、いつの間にか、すこぶる強者に変身したというのが、マンモスハンター説です。このマンモスハンター説は、多くの誇り高い西欧の古人類学者の著書に、またそれに依拠している日本の学者の著書にも見られ、ほとんどの古代史図鑑でも、毛皮をまとった原始人たちがマンモスを取り巻いて槍を投げて狩りをしている想像図を採用しているほどです。ここで取り上げたいのは、ちょっと待ってほしい。本当にヒトはマンモスハンターだったのだろうか?という疑問であります。

前篇で取り上げた「腐肉漁り・骨(ボーン)ハンター」という生活を送っていた時代は、まだヒトが猿人であり原人という段階です。一方のマンモスの繁栄した時代は約一八〇万年前から二万年前という、氷河期真っ只中で、しかもヒトがマンモスを狩ったとされるのは、おそらく五〜二万年前の新人、私たちと同じサイズの脳を持ったクロマニオンと呼ばれる私たちのご先祖の時代ですから、西洋の古人類学者の間では、「すでにヒトは強者になりおおせていた」のだという暗黙の了解が成り立っていかもしれません。対象は寒冷化に適応したケナガ・マンモス、場所はヨーロッパからシベリア、それに加えて、より巨大なマンモスがいたという新世界南北アメリカです。

今から約三万年前、ヨーロッパのクロマニオンの中には(おそらく彼らの住居跡にマンモスの骨や牙が多く見つかっているからでしょう)マンモス狩猟民と呼ばれる人たちがいました。当時はまだ後期旧石器時代でしたが、彼らが造り使用した石器文化をクラヴェット文化と呼び、鋭い石刃を木や骨に埋め込んで使用するという、かなり進んだ細石刃文化に属しています。

(すでに紹介した)ネアンデルタール人のムステリアン石器に比べると雲泥の差といえますが、ただいくら鋭利だとはいっても、たかだが棒の先に先の尖った石器=尖頭器や、鋭い石刃を骨か木片に差し込んだナイフ型石器で、わたしたちのご先祖は、本当にあの巨大なマンモスに立ち向かっていったのでしょうか。


♪ あなたならどうする? ♪ あなたならどうする?


もしあなたがその当時に生きていたとして、たとえば屈強な仲間の十人とか二十人が一緒だったとしても、果たして(この程度の武器を手に)あのでっかいマンモスに立ち向かっていきますか? 多分今のゾウだってバイソン(野牛)だって、まず願い下げではないでしょうか。

かなり時代が下がっても、私たちの先祖の集団(バンド)は、血族を中心に二〜三〇人程度だったようで、それ以上になると、当時の狩りの成功率では、獲物の分配が無理になります。百歩譲ってすこし多く見積もった五〇人の集団だったとしましょう。男女半数で二五人、老人と子供を除いたら成人の数はせいぜい一〇人か一五人程度です。いくつかのバンドが協力して狩りをする習慣があったかどうか、もしも彼らの何人かがこんな危険な狩りによってあっけなく命を落としでもしたら、その集落の存続すら危うくなるではありませんか。誰がこんな危険を冒してまで、あえてマンモス狩りに挑戦するでしょうか。何度だって言いますが、筆者だったらご免蒙ります。

ここで再びヴァーチャル・シミュレーション、頭の中で狩りの状況のイメージをつくって見て下さい。たとえばあなたは、武器である槍を投げるのか、それとも手でもって突くのか。もし槍を投げたとしましょう。マンモスのあの厚い皮膚を貫くために、そしてマンモスに致命傷を与えて弱らせるために、一体どの程度の距離で、どこを目掛けて何本投げたらいいのか。さて槍が当たるまでマンモスはおとなしく待っていてくれるのか。もし当たらなかったら予備の槍は何本いるだろう。そんな沢山の槍を準備したり持ち運べたり出来るのだろうか。マンモスが次の投げ槍を投げるまで、どうぞとばかり待ってくれるだろうか。当然命中度が低くて致命傷を与えることが出来なかったら、それこそ手負いのマンモスに追っかけられて、はたして無事に逃げおおせられるでしょううか。

投げるのでなく手でもって突くという作戦はどうだろう。だれが最初に突くのか、くじ引きするのだろうか。気付かれないように近づく術はあるのだろうか。突いたとたんに鼻ではじき飛ばされ足で踏み潰されないでしょううか。

もし私なら、深い雪に足を取られて動けなくなったマンモスとか、病気か怪我あるいは老衰で弱っているマンモスだけを狙うでしょう。運が良ければ親に死に分かれてしまった迷い子マンモスに行き当たるかも知れない。多分新人クロマニオンは、元気なマンモスは無理でも、死体を狙うライバルにはなんとか対抗できたと見るのが妥当ではないでしょうか。

一頭のマンモスの肉は干すか炙るかして保存すれば、一つの集落がゆうに何ヶ月も生きていける魅力ある獲物であることは間違いありません。ですがマンモスしかいなければ別として(ほかにも草食動物がいたとすれば)死と隣りあわせの危険を冒してまで、マンモスハンターの道を選ぶかどうか…。

              《続く》
 
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246787 マンモスハンターは誤り 匿名希望 11/03/07 AM08

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