国家の支配構造と私権原理
245353 2/6なんでや劇場(5) 2900年前、海の民の侵略で地中海沿岸の部族共同体は崩壊
 
冨田彰男 ( 47 兵庫 経営管理 ) 11/02/08 PM08 【印刷用へ
【資料】
@「■コーカソイドの部族移動」図解リンク
A「■Y染色体亜型の世界的分布」地図リンク

【参考】
「ギリシア〜ローマ史まとめA 4000年前〜3200年前 ミケーネ文明登場、海の民」245315
「ギリシア〜ローマ史まとめB 3200年前〜2800年前 ラテン人の南下、ポリス成立」245320

そのミケーネ文明も3150年前に滅亡する。その前後に地中海では、印欧語族の一派ラテン人R1bがローマを建て、アナトリアでは3200年前ヒッタイトが滅亡する。その犯人は海の民である。海の民とは何者か?

絶えざる掠奪闘争によって大量に再生産される略奪集団=海賊である。この略奪集団が逃亡奴隷も加えて大勢力に膨張していった。

ミケーネがかき集めてきた奴隷たちは、地中海沿岸の人口の大半を占めていたセム族Jやハム族Eである。ミケーネには奴隷狩りのための戦闘部隊が存在し、奴隷狩りや奴隷の統率のために、セム系の傭兵が使われた。アナトリアで奴隷狩りをしていたヒッタイトも同様である。

まず、過酷な奴隷狩り(略奪闘争)によって逃げ延びた敗者が続々と登場し、彼らが海賊に転じてゆく。これが海の民の正体である。この大量の海賊(海の民)の波状攻撃によってヒッタイトもミケーネも疲弊してゆく。そうなると、セム系の傭兵部隊が寝返ればヒッタイトもミケーネもお終いであり、その内部でも下克上を狙う者が出てくるのは当然である。ミケーネが内部反乱で滅亡したという説があるが、それは事の本質ではなく、大きく見ればその内部反乱も海の民の度重なる侵略が引き起こしたものであり、ヒッタイトもミケーネも海の民によって滅ぼされたのである。

そして、海の民=海賊が地中海沿岸を荒らしまわって以降、3000年前にギリシア・アナトリアをはじめとする地中海沿岸に拡散・定着して以降は、この地域には略奪集団(海賊・山賊)と彼らが作った支配国家しか残っていない状態になった。

その後、山賊(海賊)集団が作ったスパルタやローマが強国になったのは、略奪を生業⇒国家戦略としたからであるが、それは彼らが豊かな土地を獲得できず、略奪以外に飯を食う道がなかったからである。

2900年前に印欧語族ドーリア人R1aがギリシアに南下してきてスパルタをつくる。しかし、その農業生産力は乏しかったため(それでは食っていけないので)スパルタは略奪を国家戦略として生きてゆくことになる。スパルタが男子に少年期から施した戦闘教育は掠奪教育と言ってもよいものである。スパルタが強国と化したのはそのためである。

2750年前のローマも同様である。滅亡した部族の生き残り3人がローマを建国したという伝説は、ローマが3つの略奪集団からできたことを示しているが、彼らが最初に建国したイタリア半島中心部は貧しい地域で、略奪闘争(戦争)を生業として生きてゆくしかなかったので、戦争を国家戦略として強国と化したのである。そういう意味で、スパルタもローマも「逆境でこそ進化する」の(悪い例だが)一例である。

まとめると、戦争の起源と拡大過程は3段階になる。
【資料】「■地域別古代史年表」リンク

【1】5500年前、イラン高原で最初の略奪闘争勃発→略奪集団と緊張圧力の伝播。

【2】3500年前、略奪闘争の玉突きで、略奪部族の支配国家、あるいは山賊・海賊しか存在しない状態になった。

【3】2900年前、海の民がギリシア・アナトリアをはじめとして、地中海沿岸を荒らし回ったあげく、拡散→定着。全てが略奪集団の作った国家となる。

このような段階を経て、地中海沿岸では部族共同体は完全に崩壊してしまった。但し、この段階では欧州の一部には部族共同体が残存していた可能性が高い。

アナトリア・メソポタミア・コーカサスは、元はセム族J・ハム族Eの世界だったが、印欧語族Rが侵入し、2500年前には印欧系のペルシア帝国が支配した。しかし、ペルシア帝国もその後コーカサスに追いやられ、以降この地域はセム系・ハム系が支配を取り戻した(アナトリアはモンゴロイド系のトルコ族が支配)。このように、この地域ではセム族・ハム族VS印欧語族の闘いが続いてきた。大局的には中東ではセム・ハム優位であったが、近代以降、この地域の支配権を巡って、イスラム(セム・ハム)VS欧米(印欧)の闘いが激化していく。
 
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