実現論を塗り重ねてゆく
244441 インドのY遺伝子分布(基礎情報)
 
小西良明 ( 会社員 ) 11/01/22 PM05 【印刷用へ
ヨーロッパのY遺伝子分布(244035)に続き、インドの分布を紹介します。
EUPEDIA(リンク)のような統合された情報が無かったので、いくつかの論文、サイトからの情報をまとめます。

「現代インド人・パキスタン人のY染色体分布」(意訳)リンクから、インド人のY染色体は主に”H, H1, J2b2, L1,O2a, R1a1, R2”で構成されていることが分かります(他サイトの情報も一致)。なので、以下に各ハプロタイプごとの特徴を記述します。
※記述の少ないH1,J2は割愛。

■H 情報元: リンク
・多くのインド人が持つ遺伝子であり、他所ではほとんど見つかっていない。ただしロマ人(リンク)はこのハプロタイプを持っている。
・ハプロタイプFから派生したもので、3万〜2万年前にインドで発生したと推測される。
・インド南部の先住部族(ドラヴィダ系)や、カースト下位の者に多い(25〜35%)。逆にカースト上位者ではせいぜい10%程度しか見られない。

■L 情報元: リンク
・3万年前にハプロタイプKから派生したと思われる。
・ドラヴィダ系のカースト中上位者に多く(17〜19%)、アーリア系には少ない(5〜6%)。インド南部のケーララの人々では48%に達する。
・先住部族にはほとんど見られないため、インドに元々存在したハプロタイプではないことが分かる。
・Lは3系統(L1,L2,L3)に分岐している。L1はインド亜大陸におり、その分布はドラヴィダ語を話す人々のものと相関している。また、ヨーロッパで見つかるLは大抵L2に属している。

■O2a 情報元: リンク
・原南アジア語族の主要ハプロタイプ。
・インド北部のカーシー族、インド東部のジュアング族に多い。

■R1a1 情報元: リンク
・ハプロタイプR1からの派生であり、正確にはR1a1aがR1a系のほとんどを占めている。
・カースト上位者に多く、バラモンでは西ベンガル州(71%)・マハラシュトラ州(48%)・南部のアイアンガー(31%)、そしてパンジャーブ地方のクシャトリア(67%)が代表的。
・南インドのドラヴィダ系にも一定数が見られる。チェンチュ族では26%がR1a1を持っており、ヴァルミキ族やケーララ地方でも確認されており、スリランカのシンハリ族でも13%存在する。

■R2 情報元: リンク
・このハプロタイプの9割はインド亜大陸に存在する。
・インド人、スリランカ人の10〜15%を占めており、ドラヴィダ系にも印欧系にも存在する。特に割合が高いのは西ベンガル州(23%)、スリランカのシンハラ人(38%)である。
・カースト上位になるほど割合が高くなる。
・R2とR1aの分布はかなり似ており、同時期にインドに侵入した可能性が高い(但し確証はない)。
 
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244547 パキスタンの歴史 (1) 西村真治 11/01/24 AM03

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