人類の起源と人類の拡散
243344 ’10年末なんで屋劇場レポート1〜人類史を追求する意義と視点
 
山澤貴志 ( 45 鹿児島 ITコンサル ) 11/01/03 AM10 【印刷用へ
’10年末なんで屋劇場のテーマは人類史の追求という決して万人受けする内容ではないにもかかわらず、多数の来場があり、まさに課題収束という意識潮流を象徴するような追求の場となった。「モンゴロイドの歴史」の概略は既に投稿されている243120243121243124243125243129243130 が、以下に、劇場でさらなる追求を行った部分をレポートする。

● 今何故、人類史を追求するのか?

経済情勢はドル・米国債の暴落へと向かっており、少なくとも21世紀初頭には世界は大転換を向かえるだろう。それはこれまでの追求によれば、おそらく西洋文明から東洋文明への転換ということになると予測される。我々の進むべき方向性はどこにあるのか?激動の時代を生き残っていく可能性のある民族はだれか?そもそも私たち日本人の祖先とは?こうした疑問に、まずはしっかりと歴史的事実を踏まえて答えを出していくことが今、必要とされている。

このことは言い換えれば、激動の時代には新たな可能性を切り開いていく新理論が求められる、ということでもある。新理論への期待に応えるものとしては既に「実現論」がある。ただし実現論は「前史及び始原人類の時代」についての考察は十分、新理論期待に応えるものとなっているが、私権時代(所謂、文明誕生以降の歴史時代)については、不十分かつ、実現論公開後にも新認識が登場しており、改訂を必要としている。そこで、来るべき、理論収束に向けて、前回より、実現論・私権時代の書き換えに着手している。今回は、3000年前までのモンゴロイドの歴史(東洋史)について追求する。

●人類史を考える上での学説の取り扱い方について

今回、モンゴロイドの歴史の考察にはY染色体遺伝子分析の研究資料を用いている。しかし、遺伝子分析を鵜呑みにしてはならない、という点は最初に付け加えておく。そもそも現時点では全遺伝子が解明された訳ではない。タンパク質合成に無関係とされる非コード領域については明らかにされていないし、遺伝子相互の関連性も不明である。そのような状況で、たったひとつの遺伝子を取り上げて一体、何がいえるのか?という根本的な疑問がある。実際、モンゴドイドの遺伝子分析については日本の研究者である崎谷氏と、その元資料ともいえるアトラスでは、年代に2〜3倍の開きがあるという状態である。

それに分子時計というモノサシを使って、しかも現在の人々の遺伝子を見比べて、どこで別れたか、という逆算をしているが、この分子時計についてもまだまだ科学的事実といえる根拠は乏しい。

また、現生人類はアフリカのたった一人の女性から枝分かれしたとするミトコンドリア・イブ説も、極めて疑わしい説である。そもそも、最末端から出発して、その元は?、更にその元は?とたどってゆけば、最後は必ず一人にゆきつくが、そのような発想法そのものが根本的な誤りなのではないだろうか。最近、新人は旧人とも交配したとされているが、系統樹は末広がり形だけでなく、その逆の混血による末窄まりの系統樹も想定され、実際には末広がりと末窄まりの系統樹を重ね合わせたような形になっていると考えられる。

従って、まだまだ幼稚な遺伝子研究に基づく説だけではなく、遺跡考古学や環境考古学とも組み合わせて考える必要がある。少なくとも現在の学問状況から言えば、遺跡の方が信頼度は高いと考えるべきであろう。今回作成した年表も、遺跡考古学とつき合わせて作成したものである。
 
  List
  この記事は 243130 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_243344
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
シリーズ「モンゴロイドの歴史」総集編〜モンゴロイドは、どのような外圧状況に、どのように可能性収束したのか? 「共同体社会と人類婚姻史」 11/08/03 AM00
シリーズ「モンゴロイドの歴史1」〜〜人類史を追求する意義と視点〜〜 「共同体社会と人類婚姻史」 11/05/01 AM08
シリーズ「人類の部族移動」その1〜人類史を追求する意義と視点 「縄文と古代文明を探求しよう!」 11/03/12 PM07
245173 なぜ今、人類史を追求した理論体系が必要なのか 朱雀 11/02/04 PM08
西洋文明の基層を探る⇒2500年前までの西ヨーロッパの歴史年表 「日本を守るのに右も左もない」 11/01/19 AM08
244140 形態人類学上の分類の違いの要因は? 西村真治 11/01/17 AM00
哺乳類→人類が洞窟から出るまでの図解紹介 「生物史から、自然の摂理を読み解く」 11/01/12 AM00
12/29なんでや劇場(1)〜人類史を追求する意義と視点 「日本を守るのに右も左もない」 11/01/09 AM09
243635 新人と旧人(ネアンデルタール人、デニソワ人)との交配、そして共存の可能性。 たっぴ 11/01/08 PM00
243602 答を出す過程やそこで導き出した答を思うとワクワクします(≧∇≦) さぼてんのはな 11/01/07 PM09
243349 ’10年末なんで屋劇場レポート2〜モンゴロイドの誕生と北方への進出 山澤貴志 11/01/03 PM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
ゴリラ、テナガザル、オランウータンと人類
サルからヒトへの足の指の変異:『地上生活順応説』には物証もなければ論理的反証が多すぎる
ヒトはいつから言葉を話し始めたのか(2)
人類史を追求する意義と視点
原基構造の不変部分と可変部分
地球の気候変動と人種移動
モンゴロイドの歴史@ 20万〜4万年前 スンダ・モンゴロイド、北方モンゴロイドの誕生
モンゴロイドの歴史A 4万〜1.3万年前 中央アジア・モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史B 1.4万〜1万年前 スンダ・モンゴロイドの拡散
モンゴロイドの歴史C 1万年前〜6000年前 新モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史D 5500〜3000年前 寒冷化→新モンゴロイドの本格的な南下→中国へ
モンゴロイドの誕生と北方への進出
南方モンゴロイドの拡散と新モンゴロイドの誕生
北方モンゴロイドの拡散(ツングース族、モンゴル族、テュルク族の起源)
家畜化と農耕と遊牧、都市国家1〜家畜化と社会余剰〜
家畜化と農耕と遊牧、都市国家2〜家畜化と社会余剰〜
牧畜によって何が変わったのか?
遊牧によって何が変わったのか?
交易によって何が変わったのか?
遊牧部族の父系制転換
中国文明の起源
遊牧民の中国支配史2: 〜夏・殷・周の成立〜
遊牧民の中国支配史3: 〜春秋戦国時代・秦〜 550年間にわたる遊牧部族同士の同類闘争が、心を歪ませ、思想を発達させた
遊牧民の中国支配史4:漢の時代〜冊封体制と朝貢制によって中国史上初の私権統合体制を実現した漢帝国〜
遊牧民の中国支配史5: 〜五胡十六国・南北朝の時代〜 400年に渡る戦乱により、血縁を紐帯とした部族集団が悉く解体され、現代中国の原型=3層の人民構成が形成された
中国とは何者か?−ヨーロッパとイスラムと中国−
潮流1:共認原理と私権原理
2600年前頃、古代宗教・思想の世界同時成立期・・・・そして大転換期の現代
1万年前以前の極寒期には南欧以北の欧州は無人だった
原欧州人とシュメール人の出自
5500年前、イラン高原で最初の略奪闘争(戦争)が勃発
3500年前、コーカサスと地中海は略奪部族の支配国家と山賊・海賊だらけになった
2900年前、海の民の侵略で地中海沿岸の部族共同体は崩壊
略奪集団であるが故に自我の塊になった西洋人
西洋人の精神構造と異常な性意識

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp