人類の起源と人類の拡散
242119 北方モンゴロイドの拡散(ツングース族、モンゴル族、テュルク族の起源)
 
井上宏 ( 40代 新潟 建築コンサル ) 10/12/12 PM08 【印刷用へ
北方モンゴロイドの主要部族(ツングース、モンゴル、チュルク)の分化・拡散について調べてみました。

変身のための起源論 リンク より転載
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【古層集団】
▼アフリカから熱帯アジアへ東進した@オーストラロイド祖族。(※南方モンゴロイド)
▼北方ステップを東進したAパレオ=アジア祖族。(※北方モンゴロイド)

【後発集団】
▼スンダランド水没後に拡散したBオーストロネシア祖族。
(※南方モンゴロイドの拡散)
▼中北アジアから拡散した「原アルタイ」族。これは、東進したCツングース祖族、中央〜南方を占めたDモンゴル祖族、西進したEテュルク祖族−の3集団に分けられる。(※北方モンゴロイドの分岐・拡散)
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◆ボトル・ネック危機とヒプシサーマル大放散
5万年前→2.1万年前には極寒化が進行し、人類は壊滅危機にさらされます。極度に人口が減少して、小集団のまばらな「島」に分割されてしまったのです。「島」となった各集団では、いわゆる〈ボトル・ネック効果〉により、異なった肉体的特徴が定着しました。これが〈人種〉の形成です。
 2.1万→1.4万年前に寒気がゆるむと、この各「島」の集団は、それぞれ再膨張を始めました。そして1.3万年前の高温期〈ヒプシサーマル期〉で、大きく人口爆発します。
 だがこの直後に、再び急な「冷え戻り」が起き、膨張した各集団はまた危機に直面しました。この危機を乗り越えるため、各集団はそれぞれに新たな文化や生活形態を獲得していったのです。これが〈先史民族〉の形成です。より住みやすい土地を求めて、大規模な「民族移動」も繰り返されたことでしょう。
 東方アジアについて言うなら、この先史期のプロセスは、6つの主要な人類集団を捉えることで大づかみできる−と考えます。

◆北アジアの放散−原アルタイ族 
 北アジアでは、「ヒプシサーマル崩壊」(※13000年前頃のヤンガードリアス期の入り口)から3つの祖族が放散しました。これが現在「アルタイ語族」に括られる人々です。彼らの「原郷」は南シベリア−モンゴル高原あたりと推定されます。その肉体的特徴は、ずんぐりむっくり体型でノッペリ顔。これらは生物学的な極寒適応(アレンの法則)とされています。垂直的な上天信仰、きびしい自然と調和するためのシャーマニズム、また熊神崇拝・冬祀り・父系氏族社会など、多くの文化特徴を備えました。
 このアルタイ系の3祖族とは、具体的には以下のようです。

【テュルク祖族】
「原郷」から西へ放散した集団です。この集団は早くから、肉体的にも文化的にも印欧祖族(=アーリア族)と混融を起こしました。その後の世界史を席巻した「馬と金属の文化」も、この混融から広まったものです。彼らの直系の子孫は、アジア内陸から地中海にまで広がるトルコ系諸族。そのほか東欧・ロシア・華北中国人などにもこの血統が入っています。

【モンゴル祖族】
「原郷」中央から南へかけ展開した集団です。いわゆる「モンゴロイド=黄色人種」とは定義が違うのでご注意を。北方では騎馬遊牧、中国に南下した集団は農耕民となりました。これも大人口となり、東−中央アジアの広域に拡散しました。中国史の主役となった血統です。

【ツングース祖族】
「原郷」から東へ放散した集団です。長く狩猟文化を維持しました。また「トナカイ飼育」文化も顕著です。モンゴル系とは混じり合い、その境目がはっきりしません。シベリア−旧満州−朝鮮半島を軸とする諸民族のソースです。

・・・Eテュルク祖族は、異系統の印欧祖族とごく早くから融け合って、混血集団となってゆきます。「馬と金属」の文明は、ここから起こってきたのです。
さらに「馬の文明」はテュルク→モンゴルへも伝播しました。これからテュルク(トルコ)祖族は中央〜西アジアに、モンゴル祖族は中央アジア〜華北に、それぞれ覇権を築きます。
・・・またツングース祖族は「馬とトナカイ」を飼い慣らし、これもシベリア〜旧満州で強勢となったのです。
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(転載以上)

( )内の※印以下については、引用者にて記入。ちなみに筆者は、チベット族については、アフリカを出て西アジアで原モンゴロイドから分岐したAパレオ=アジア祖族(後の北方モンゴロイド)が、ステップルートを東進する際に、チベット方面へ分岐・南下した部族としている。

 
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