『現時点、文明の転換点にある』(国際戦略コラム)リンクより転載します。
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現時点、文明の転換点になっている。西洋文明から東洋文明の論理に置き換わる時代である。「坂之上の雲」は、日本が東洋から西洋に転換する過程であり、坂本龍馬の偉大さは東洋文明を転換させたことである。そして、今、西洋から東洋に文明を転換させられる位置に日本はいる。それが日本の役割である。
東洋文明は自然との共生、自然との融和という命題を持っている。自然の全体バランスを考える。西洋文明は、自然界から良いものを選び、その成分だけを人間のために役立たせるという志向で、バランスという感覚がない。このため、全体バランスが必要な自然農法などの考え方ができない。それは実証的方法でしかできない。
日本人が自分達に与えられた文化・文明を気がつけば、世界企業と日本企業・産業は差別化できる。このため、西洋文明の中にいる今の日本人の自信のなさはわかるが、早く転換してほしいものだ。自然主義+実証研究+実験計画法などの方法論も日本人が発明した。発想法も全体的な構想に役立つ方法が多い。
石油文明からの脱出を図らないと、中国海軍力が増強して不安定な中東シーレーンからの離脱が出来ない。藻、すすき、りぐぱるなど石油の頚木から脱出する方法は、全て植物の発酵や加工でできたものである。石油は西洋文明の大きな原動力であったが、その頚木からとき離れるためには植生加工への道を開くしかない。この基礎は江戸の本草学だ
また、今後、中国などの新興国の生活水準が上がると、資源・エネルギーは需要が増えて高騰してくる。そのためにも植物由来の資源を開発することが急務である。今までの延長上では生きていけない。
西洋科学は部分分析とその部分の組立てが中心、東洋文明は総合的な観察が中心である。今までは分析が重要であったが、相互作用、自然界での多様な共生関係など全体的な相互作用という分析が必要で、今までは西洋科学の方法で無視していた効用が見えてきた。東洋的な考えを西洋科学も無視できないことになっている。
このような全体観察という実証的な研究で自然界を見ないと、分からないことが多い。この分野は総合の観点から分析するという総合と分析の2つを同時に行うことであるが、その方法論は日本の実験計画法(田口メッソド)しかない。まだその意味では学問方法が整備されていない。
経済学でも、経済を分析してもバーナンキさんも当たらない。金融緩和をすれば景気が良くなるというが、そのような単純な政策で景気が回復するわけがない。経済全体を総合的に見る必要があると思うが、西洋経済学では、経済活動の一部分の理論の集合体である。これで経済学もおかしいことになっている。西洋科学の分析だけではダメな証拠である。
要するに、西洋科学を否定はしないが限界がある。東洋的な総合的に見るという観点も重要になっているということである。
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続く |
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