実現論を塗り重ねてゆく
240509 印欧語族=アーリア人の起源と移動
 
田野健 HP ( 50 兵庫 設計業 ) 10/11/09 AM08 【印刷用へ
部族支配国家であるインドの変遷について支配民族であるアーリア人の側から見ていきたい。参考にさせていただいたのは中村元氏の著書「古代インド」からである。
※印は私のコメントとして掲載させていただきました。
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アーリア人の原住地はいまだに不明ではあり、学者の間で論争されているが、定説はない。ドナウの沃地に生存していたとも言われ、あるいはヴォルガ河畔のステップに遊牧民として生活していたとも考えられていた。近年ではコーカサス山脈の北方地帯であったという説が有力であり、アメリカの知識人の間では一般的な意見となっている。

ともかく、原始アーリア人(原始インドーヨーロッパ人)が牛、馬、犬などの家畜の群れを引き連れて、一つの草原から他の草原へと移動して遊牧の生活を送っていたことだけは確かである。なぜそのように断定できるかというと、インドーヨーロッパ語族を通じて家畜の名は類似したものが多いが、農耕物の名は各民族によって異なっているからである。
石器、銅器を長らく使用していたが、ある時期以降は鉄器を扱うようになっていく。

彼らの宗教は原始民族の悪霊崇拝をすでに脱しており、自然崇拝を行なっていた。空、太陽、月、曙、風、水、雷鳴が彼らには神と映った。神々は天空にあり、明るく輝くものと考えられていた。
アーリア人はある時期(前1700年頃)に人口の増加、旱魃あるいは他の事情にうながされて、原住地の草原を出て他の地方への定住を開始した。(私はこの時期の移動は3000年前から始まった西洋、中東での寒冷化に端を発していると見ている)

若干の部族は西方へ向かい、この時期にヨーロッパに定住し現在のヨーロッパ諸民族、すなわちケルト人、チュートン人、ゲルマン人、スラヴ人、イタリア人、ギリシャ人などとなった。若干の集団はアナトリアに現れ、そこの先住民と混血してヒッタイト族の大帝国を建設した。また、他の諸部族は当方に向かって移住を開始、アジアに入り、カスピ海(裏側)の南東に当たる西トルキスタンのステップ地帯に数世紀定住して共同生活を送っていたらしい。ここの諸部族を総称してインドーイラン人という。彼らは半ば遊牧、半ば農耕の生活形態を送っていたと考えられる。

※ここでは現在でも明らかにされていないアーリア人の起源について一旦コーカサス地方北側という事で押さえておきたい。アーリア人は世界で最も広範囲に広がった民族として文化人類学では定説になっているが、その背景に白人至上の西洋史観中心の支配思想が混入している可能性は見逃せない。同じアーリア系でもインドに侵入した方と西洋に定着した集団はそれぞれの地で定着した後の歴史は異なり、言語学や人種で分類する意味を上記の理由に見出すことがあまりできない。強いて言えば最初に鉄器文化を持ったコーカサス地方の戦争集団(=アーリア系)が世界に拡がったという負の拡散に注目すべきだと思う。
 
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