日本を守るのに、右も左もない
240473 経済力を持った中国は、変わるどころか軍国主義に走っている
 
猛獣王S ( 不惑 東京 営業 ) 10/11/08 PM03 【印刷用へ
『米政府に対するロビー活動』(経済コラムマガジン)リンクより転載します。
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●「他人に迷惑をかけない」

人民元問題に関する米国政府に対するロビー活動の話をする前にちょっと前段がある。まず中国の人々の物の考え方や行動パターンというものを、日本人のそれらと対比する形で、簡単に述べる必要があると感じる。中国と日本は一衣帯水の位置にあり、また遠い昔から色々な面で深く交流してきた。おそらく欧米人には、中国や韓国そして日本は同じ東洋という文化圏にある国々と見ており、これらの国民を簡単には区別することができないかもしれない。

しかし日本人と中国人では、メンタリティーに決定的な違いがある。そしてこのメンタリティーの違いは、両国の歴史や地理的条件の違いによって生まれたと筆者は考える。ところが日本人自身がこの違いを軽視し、これまで中国に対応してきた。

1972年の日中国交回復当時、日本の一般国民は中国人に対して好感を持っていたと思われる。特に当時の日本のマスコミは、台湾との国交を断絶しても中国との国交を回復することは当り前という空気を作っていた。それには日本の大新聞を始め当時の知識人と言われる人々の多くが、左翼がかっていたことが関係している。彼等は米国よりむしろ中国やソ連と言った社会主義国に親近感を持っていたと筆者は考える。

日中国交回復が正しい判断であったのか、今となっては分らなくなっていると筆者は思っている。今日、中国に対して親近感を持つ者はほとんどいなくなり、むしろ反感を持つ者が異常に増えている。こんな事なら日中国交回復なんかしなければ良かったのである。

中国は、異民族の侵略に脅かされ、そして何度も支配されてきたように、日本に比べるとずっと厳しい歴史を経験している。しかも漢民族が夷狄(いてき・・野蛮人)と見下していた者に何度も支配されたのである。それに比べほとんど異民族の支配を受けたことがない日本人が、平和ボケなのはやむを得ないのかもしれない。

内乱に加え、侵略したり侵略されたりの歴史を繰返してきた中国では、独特の精神文化と交渉術が発達した。中国人が気を許すのは基本的に一族だけである。他人や他国に対しては決して油断をしないのが中国であり中国人である。

一方、日本は、先住民は縄文人であるが、さらに色々な地域から移ってきた者が集まって形創られた国と考えられる。特に日本は、アジアの東の端に有り、これ以上は東には進めないどん詰りの地である。日本では、たしかに支配者が決まるまで戦乱が絶えなかった。しかし一旦支配層が確定した後は、国内の融和というものが試みられた。

日本は、東のどん詰りに加え島国である。日本がこのような閉じられた空間にあり、他に逃げ場がないという認識が、日本人の性格や精神構造を決定づけたと筆者は考える。このような閉じられた国で生きて行くには「他人に迷惑をかけない」ということが基本動作となった。

人間関係においては、日本人は策を労することと策を労する者を嫌う。政治家には「誠実」「誠」という言葉を好む人が多い。「胸襟を開く」とか「腹を割って話す」ということが重要で、誠意を持って相手に話せばいつかは分かってくれると信じている。

また相手を欺くことは嫌われ、このような行為をする者は「卑怯者」のレッテルが貼られた。古来、日本では「鏑矢(かぶらや)」を打ち上げて戦闘を開始した。また一騎討ちの場合には、互いに「名」を名乗った。奇襲を行った真珠湾攻撃では、宣戦布告書の米国大統領への手交が遅れたことで、戦後、在米大使館の職員がなじられ続けた。

●兵法と人心収攬術

日本人は、日本国民の間の行動原理が外交でも有効と考え勝ちである。簡単に言えば、誠意を持って外交に当れば、相手も解ってくれると信じている。例えば温暖化ガスの排出規制でも、日本が先頭に立って削減に向かえば、他の国も付いてくると思っている。

日本の経済規模は大きいが、しかし外交における日本の存在は小さい。特に戦後は覇権国としての地位を失い、外交の重要性は低下している。また軍事力だけでなく外交も米国への依存を強めている。今回の尖閣諸島事件でも、日米安保の適用範囲を米国に確認して胸をなでろしているような、なさけない状態である。このような弱体化した日本に対して、中国だけでなく、韓国やロシアまでも様々な手を使い揺さぶりをかけてくる。

 〜中略〜

日本の外交にとって重要なことは、巧みになることではなく相手のことをよく知ることである。例えば中国には、国交回復後、日本はずっと騙されっぱなしである。もういい加減にこの国の本質を見極めた外交を展開すべきである。

日本だけでなく米国なども、「改革・開放」が進めば中国も普通の国になると淡い期待を持っていた。ところが経済力を持った中国は、変わるどころか軍国主義に走っている。今のところこのような国に対応するには距離を保ち、一方で防衛力を整備する他はない。

 〜後略〜
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