日本人と縄文体質
240175 江戸時代の村落共同体のありよう(7)〜主体的な勉強意欲の秘密〜
 
佐藤祥司 ( 壮年 設計 ) 10/11/01 AM01 【印刷用へ
(1)〜(6)を振り返っていえることは、

江戸時代の農村は、幕府による兵農分離政策(239420)、参勤交代、及び鎖国政策などによって、安定期待が実現し⇒農村自治を主体的に推し進め、自身の村は基より周辺地域まで巻き込んで積極的に秩序の維持に向かった。

その結果、村掟などの村落共同体での規範や、外圧に応じて、関係する周辺地域や集団と積極的に共同体制(組合や講など)を組み、約束事を取り交わしていった。

また、支配者からの圧力も文書などを通じて冷静に対処し、さらに、共同体を維持するために、彼らをも巻き込んでいく様や、村の祭祀などの様子からは充足基調の実現思考という様子も伺える。

そういう意味では、江戸時代の農村は、まさしく「村落共同体」であり、また、複層社会において共認原理で秩序維持⇒統合を推し進めたという点では、共認社会のモデルに値する社会であったように思います。

このことから、1800年前後から急激に増え始め、後期には15,000余りを数えた寺子屋という、世界に例を見ない【自主】学校の普及や、当時の世界でも群を抜く高い識字率の背景には、文字による共認形成が不可欠な共認社会であったという側面と、村人自身が文字を実現基盤、或いは充足基盤と捉えていた側面があったように思われます。

さらにその背景には、参勤交代によって発達した交通網や、誰でも安心して旅ができる秩序化された社会、そして、お金が無くても地域の情報や、絵や和歌などの素養があるだけでも宿に泊めてもらうことが出来たといわれるほど、対外情報に対する好奇心旺盛な人達が数多く存在していたということ、さらには、うまくいっている人・集団から学ぶ、“まねる”という本源価値を有していたということがあげられます。

そして、その根底には押し寄せる市場の波と、その予感に基ずく一種の社会統合期待⇒情報期待と観念収束があったのではないかと思います。
 
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