現代意識潮流を探る
239620 10/17なんでや劇場(6) '70年〜現代 収束不全⇒本能的な秩序収束⇒課題収束⇒認識収束
 
冨田彰男 ( 47 兵庫 経営管理 ) 10/10/19 PM09 【印刷用へ
【5】'70年〜現代
先進国において豊かさが実現されると同時に、近代思想は生命力を失い、無思想・無関心が蔓延する。また、同時に芸術・芸能(ex.小説や歌)も無内容化してゆく。

歌謡や小説は、一方では近代思想に導かれて恋愛や自由を美化する機能を持ちながら、もう一方では権力支配や資本支配によって失われてゆく本源性を拾ってゆく機能もあり、大衆の共感を呼ぶ中身やストーリー性を有していた。だからこそ共認非充足の解消手段足りえたわけだが、'70年豊かさが実現し抑圧がなくなって以降は、歌謡や小説は中身もストーリー性も喪失し、もはや代償充足にすらならない代物に成り下がった。

しかし、'70年以降、レコード・CDの売上は伸びているという反論がある。レコード売上が伸びたのは何故か?
⇒'70年豊かさの実現によって、豊かさ期待も私権意識も衰弱した。これは収束先を見失ったのと同義であり、'70〜'90年代へと次第に収束不全が増大してゆく過程である。この収束不全を解消する解脱欠乏⇒発散の必要が増大し、歌やTVにかじりつくようになったのである。しかし、これは単なる解脱欠乏なので発散or時間潰しさえできれば中身はどうでも良くなってゆく。だからこそ、芸術・芸能がトコトン無内容化してゆくにもかかわらず、大衆はそこに埋没していったのである。

ところが、'02年頃、一転してCD売上はマイナスに転じ、TV離れが顕著になる。これは何故か?

市場社会は豊かさ期待と私権拡大が活力源であったが、'90年バブル崩壊によって私権拡大の可能性が消滅する。
ここから現代は出発する。

万人の意識の心底に収束不全が蓄積されてゆく。そして、新たな可能性収束先の探索が無意識に始まる。
そこで、意識の最も深い部分にある本能は秩序収束してゆく。∵本能は、自然圧力に対して生命が適応するため⇒秩序化するために塗り重ねられてきた、秩序化の体系だからである。

とりわけ人類にとって、秩序は共認によって形成される。だから収束不全から直ちに共認収束のベクトルに入ってゆく。最初は、'80年代に始まる仲間収束⇒'02年頃、私権観念が崩壊し収束不全が増大すると、次の秩序収束先として、課題(勉強・仕事)に収束する。そして、課題収束は必然的に追求に向かうので、追求と逆ベクトル(弛緩過程)にある遊びはうち捨てられてゆく。これが'02年以降、芸能や娯楽が衰退してきた理由である。

そして、秩序収束に立脚した共認収束⇒課題収束というベクトルの最終収束先は、認識収束しかない。ここまで当事者欠乏が生起して来たということは、娯楽をはじめとする代償充足は今後は不必要になったということに他ならない。これは決定的なパラダイムの転換である。
 
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