国家の支配構造と私権原理
239607 10/17なんでや劇場(4) 西洋の自我収束⇒観念収束⇒唯一絶対神信仰
 
冨田彰男 ( 47 兵庫 経営管理 ) 10/10/19 PM04 【印刷用へ
こうして考えてゆくと、世界的には西洋の方が特殊であることが浮かび上がる。

掠奪・皆殺しによって、共同体=共認の基盤が破壊され、あるのは自我だけであり、共認の中核である規範共認がほとんど失われている。そこでは集団や社会を統合するには観念機能に依拠するしかない。

日本人・中国人・インド人・イスラム人が共認収束⇒規範収束したのに対して、西洋人は自我収束⇒観念収束⇒唯一絶対神に収束したのである。この唯一絶対神は、現実の富の拡大や私権意識を捨象した奇麗事の結晶物である。このように、現実共認と宗教共認の分裂(二元化)は西洋の特徴なのである。

ローマ帝国はキリスト教を国家に組み込むことによって統合を図ったが、中世末には教会権力が皇帝権力を上回る羽目になった。その経緯は以下。

近世欧州の特殊性をまとめると、
1.皆殺し→全て敵⇒架空観念に収束するが、正邪の羅針盤を喪失しているので『騙せば官軍』の世界に。

2.この力の原理に立脚する「騙せば勝ち」の構造を見抜き、それを布教戦略として成功したのがキリスト教。

3.欧州では中世〜近世、教会が国家・国王をも上回る共認権力(→財力)を確立(アジアには無い構造)。

4.金貸しにとって絶対権力たる教会(法王etc.)は絶好の買収対象となり、教会の後ろ盾を得てベネチア・スイスetc.商業国家の独立、あるいは対イスラム十字軍遠征etc.次々と金貸しの思惑通りに事が進んでいく。

5.200年以上に亘る十字軍遠征により、富の大半を領有する貴族や騎士の大半が交易に関わり、商人(投機)貴族化した。その商業(私益収束)の拠点として、ベネチアetc.商業国家で金貸しに都合の良い法制・芸術・思想が生み出された。

【4】近代市場社会
武力支配時代までの、自然圧力×同類闘争圧力×身分支配圧力という三重の圧力からの脱出口として、市場が拡大してゆく。

社会期待として捉え返せば、国家レベルでは富国強兵共認に収束し、大衆的にも豊かさ期待に収束している。富国強兵と豊かさは一直線に繋がるが故に、社会は現実共認一色になっていった。そこでは現実の豊かさを求める共認が強いので、非現実の宗教は廃れてゆく。それに代わって、金貸し主導で、自我私権⇒市場拡大を正当化する近代思想が登場し、学校教育やマスコミによって人々に植え付けられてゆく。(西洋に遅れて東洋も、豊かさ期待と近代思想に染まってゆく流れは全世界普遍的。)

西洋近代思想にはもう一つの特徴がある。
原始時代には精霊信仰に、部族連合時代には守護神信仰に万人が強く収束していた。武力支配時代も、東洋やイスラムでは万人が強く規範に収束していた。
ところが、近代では近代思想を信じているのは知識階級だけである。庶民は近代思想を知らなくても生きている。

つまり、市場社会固有の問題として、庶民は近代思想へ先端収束しているわけではないということ。これが武力支配時代までの社会共認との違い。

では、宗教共認はどうなったのか? 不要になったのか?
⇒富国強兵共認・豊かさ期待・近代思想だけで、人々は充たされるのか?

共認非充足がなくなったわけではない。
武力支配時代までは宗教が共認非充足を処理する受け皿になっていたが、近代以降、宗教共認は廃れる一方である。
近代において共認非充足はどのようにor何によって処理されたのか?
 
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