環境破壊
239605 林業が変わる@〜誰が林業を担うのか?〜
 
mosimobox ( 20代中盤 四次元ポケット 会社員 ) 10/10/19 PM04 【印刷用へ
林業が重要なことは誰しも感じていることだと想いますが、問題は多くあります。今回は林業の担い手問題に焦点を当ててみたいと想います。

中日環境netさんより引用します。(リンク )

***以下引用***
森林の集約化が林業を活性化するための重要な戦略であることは疑いありません。ただし、このことは、林業経営の主体が森林の所有者から集約化の担い手へ移行することを促すと考えています。その場合、所有者の立場がどのように考慮されるかを詰めておく必要があります。また、さまざまな主体が経営マネジメントに関わろうとすることの影響も想定しておかなえればなりません。

■大規模所有者による経営はどうなるか

 現在、国が進めようとしている林業改革では、集約化された森林での整備や生産のみを各種補助制度の対象にしようという方向で議論が進められています。それによって、集約化を推進しようというわけです。それでは、個人の森林所有者が自分で経営を行う場合はどうなるのでしょうか。特に問題となるのは、比較的規模が大きく、それでいて所有林が1カ所にまとまっているわけではなく、何カ所かに分散している所有者の場合です。

 現在、そのような所有者は、林地がまとまっていないとはいえ、それらを一括して管理し、経営しています。個々の林地に関しては、全体の経営戦略を踏まえた上での個別戦略が立てられているわけです。ところが、集約化された林地での経営しか認められないということになれば、いくらたくさんの林地を所有していても、そのひとつひとつについては、経営者としての意向を反映させることができなくなってしまいます。これでは経営が成り立ちません。国の検討委員会でも、この点については委員として参加している大規模所有者から激しい反発がありました。その結果、そのようなケースでは所有者が一体的に管理・経営することも認めようとの方針が現時点では示されています。

 ただ、この問題については、個人による経営が認められるのは、複数の林地を分散して所有している所有者に限った話なのか、そうではなく、規模の大小や所有の分散性は問わずに、希望すれば誰にでも個人経営が認められるのか、そのあたりがまだはっきりしません。なお、ここで問題にしている「経営が認められるかどうか」というのは、前述したように、各種補助制度の対象になるかどうかという意味です。現在の林業をめぐる情勢下では、補助金の活用なしには経営が成り立ちませんから、補助の対象から外れてしまえば、経営はできなくなってしまいます。

■山村地域活性化への視点が欠けている

 林業が営まれる山村の活性化をいかに図るかという問題もあります。集約化によって効率的な経営が実現し、林業生産活動が活発化すれば、その舞台となる山村も活性化するだろうと考えたくなりますが、現実は必ずしもそうではありません。

 国は誰が集約化を行うのか、あるいは誰が伐採など実際の作業を担うのかについては、森林組合や林業事業体の競争条件を平等にして、さまざまな業者・業態がそれらに従事できる機会を確保しようという方向で議論を進めています。そのこと自体は悪いことのようには見えませんが、例えば他の地区に拠点を置く業者が参入してきた場合、地元の業者が地域の森林に関わることができなくなってしまい、そこで林業が営まれることでもたらされる利益の多くが地域に還元されないケースが出てくる可能性があります。極端な例を挙げると、将来的には外国人を雇用して人件費を低く抑え、価格競争力を高めた他地区の業者が現場作業を次々と落札するということも起きるかもしれません(現時点では、林業における外国人研修制度は認可されていません)。また、現場へのアクセス路が整備されているところなら、必ずしも地元に居住してなくても、通いで作業に従事することだってできます。このように地域外の業者ばかりが入り込むことになってしまったら、いくら森林整備や林業生産活動が活発に行われるようになっても、地域には経済的な利益がもたらされません。

 こうしたことを問題にしたいのは、過疎高齢化が深刻化し、疲弊の度を増し続けている山村地域を活性化する必要性が、実はあまり認識されていないのではないかと思えてしまうためです。例えば、国の森林・林業再生プランにおいても、林業が営まれる地域の活性化に関する具体的な言及はありません。そこには基幹産業である林業が活発になれば、自然と地域も豊かになるだろうといった予定調和的な考え方があるように思われます。しかし、前述したように、必ずしも期待通りにいくわけではありません。私はむしろ地域問題に関しては、林業という枠の中に捉われない幅広い視点から議論する必要があると思っているので、再生プランに地域問題への言及がないからと言って騒ぎ立てることはないのかもしれませんが、それにしても地域社会への眼差しが感じられないことには危惧を覚えます。

■林業や国産材がねらわれている

 実はいま、林業は各方面から注目されるようになっています。その背景には、昨夏の総選挙を経て登場した民主党政権が林業活性化に向けた施策を強力に推進しようとしていること、山の木が成長して資源的に魅力を増していること、森林整備の必要性が強調される中で、それに寄与することでの社会貢献をアピールできること―などがあります。具体的な動きとしては、住宅関連産業からのアプローチが活発化していて、大手ハウスメーカーやツーバイフォーメーカー、建材メーカーなどが国産材の利用に積極的な姿勢を見せ始めています。住宅メーカーとしては、少子化などの要因によって、従来のような新築需要が期待できなくなり、縮小する需要のパイをめぐって競争が激化する中で、地産地消や環境貢献をアピールできる国産材を利用することは、企業利益につながるという判断もあるのだと思います。

 こうした情勢下では、資源の囲い込みを図る観点から、林業のマネジメントに直接関わろうという動きが出てくる可能性がありますし、集約化の推進はそうした機会を提供しやすくしているとの見方もできます。これからは地域外の業者が林業経営に参画しようとする動きが次々と現実化する可能性があります。

 林業は疲弊している、国産材の需要は低迷している―といった従来の捉えられ方とは異なる状況が生まれている。これからの林業政策のあり方は、そのことを踏まえた上で考える必要がありますし、そうした情勢下で山村地域社会の活性化をどうやって進めるかについても、具体的かつ戦略的な議論が必要になっています。

***以上引用終わり***
 
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