現代意識潮流を探る
238480 9/23なんでや劇場 (5)〜破局後の後進国の私権意識をどうする?
 
冨田彰男 ( 47 兵庫 経営管理 ) 10/09/26 AM03 【印刷用へ
現在でも豊かさが実現された国は日本と欧州の一部しかない(米は貧富の差が甚だしい)。それ以外の後進国では富国共認は健在であり、そこでは私権意識が必然的に生起する。つまり、世界的な豊かさが実現されない限り、富国共認⇒私権意識はなくならない。どうするか?

数年後に予想されるドル・米国債暴落に始まって、私権性の強い国家群(米中・・・)は崩壊してゆく。生き残るのは共同体的気質を残した日本・イスラム・東南アジア・南米の一部と予想されるが、その後の世界をリードするのは日本と欧州しかない。

そこで必要不可欠なことは、日本と欧州が組んで、貧困が残る後進国の戦争を封鎖することである。また、貧困は相対性の問題であり、縄文時代は現在から見れば決して豊かではないが戦争は起きていない。
私権闘争の最大収束先である戦争さえ封鎖できれば、実現可能性を失った私権欠乏は衰弱し、その分本源性が顕在化するので、人類全体を前進させることができる。

そもそも後進国が未だに貧困な理由は、幻想共認(幻想への可能性収束)によって作り出された、市場商品の価格と一般農産物の価格との価格格差にある。

交換取引は、武力闘争(およびその帰結たる身分制度による私権拡大の封鎖)からの抜け道として登場した。それどころか、最初に交換関係が登場した動機は、額に汗して働くよりも、(相手にこの品物が大きな可能性を与えてくれると信じ込ませることさえ出来れば)交換によって得る益の方が、ずっと大きいからである。実際、古代市場も、女の性的商品価値を一層高めてくれそうな宝石や絹や毛皮を主要な交易品として、拡大していった。(なお、近世→近代も、呉服や毛織物やレースが起点になる。)それに対して日常の主食品(米や麦やイモなど)に対しては、その様な幻想的な可能性など描き様がない。

これこそ、市場拡大のテコとも原動力ともなった市場の秘密の仕組みであるが、そこでは当然、農耕の労働価格は、幻想商品の労働価格にくらべて、異常に低くなる。この価格格差(価格差別ともいえる)の秘密こそ、途上国が一貫して貧困状態に置かれ続けてきた真の理由である。逆に言えば、価格格差をなくせば後進国が貧困から脱出するのに20年もかからないだろう。

これを実現するためには、日本だけでなく欧州も金貸し支配から脱却しなければならない。∵金貸したちは後進国を貧困にすることで利益を得てきたからである。

現在、金貸しとその手先である特権階級たちは世界中で暴走を重ねているが、それは彼らが追い詰められているからである。彼らは経済学をはじめとする嘘八百で人々を騙してきたが、自らが人々を騙すために作ってきた経済学の原則を自らが破るしかなくなっている。そこまで彼らは追い詰められている。そのことを我々は見抜く必要がある。

’70年、豊かさが実現されると、物的充足が飽和限界に達したことによって需要が頭打ちとなり、市場は拡大を停止するしか無くなった。

需要の頭打ち(→市場縮小)に危機感を感じた金貸しと特権階級たちは、不足する需要を補うために大量の資金を市場に流し込んできた。そして残されたのが、もはや返済不可能な国の借金である。こうして作られた人工需要を引くと明らかなように、毎年のGDPはマイナス成長となる。つまり、自由市場は、豊かさが実現された’70年以降、縮小過程に入ったのである。現在の市場は、国家による資金注入という輸血装置によって生き延びている人工市場なのであって、決して自然な需要と供給に委ねられた自由市場なのではない。従って、当然、大きな歪みが発生してくる。

需要が飽和している所に、巨額なマネーを流し込んでも、市場は余分なマネーでジャブジャブになるだけである。しかし、いくらマネーでジャブジャブになっても、常に供給過剰・需要不足なのでインフレにはならない(=余分なマネーが吸収されない)。そこで、必然的に余分なマネーは土地や株式etc供給に限界のある投機商品に流れ込み、投機商品のハイパーインフレ=バブルを生み出す。そして'85年以降、日本を皮切りに、世界市場はバブル経済と化した。そして、バブルは必ず崩壊する。それが'08年のリーマンショックであり、その後世界経済は迷走を続け、金貸しも特権階級も何の答えも出せないでいる。

この流れの延長線上で彼らがヌクヌクと生き残れるはずがない。ドル・米国債暴落の引き金を引いた瞬間、金貸し支配と特権階級支配は終わるのである。
 
  List
  この記事は 238473 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_238480
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
300922 「成熟社会の経済学」(小野 善康 著より) 〜成熟社会に突入したことで人々の金を使おうという意欲が消滅した〜 ぴぴ 15/02/05 PM11
【シリーズ】食糧高騰シリーズ3 「原油」「通貨(ドル)」「食糧」を支配してきたアメリカの崩壊⇒日本どうする? 「路上で世直し なんで屋【関西】」 11/03/09 PM06
豊かさ期待とは何か?6 〜破局後の社会はどうなる?〜 「地球と気象・地震を考える」 10/12/26 PM11
241797 新しい統合原理を人々は歓迎する 太刀川省治 10/12/06 AM08
『‘70年貧困の消滅で、市場は縮小過程に入った』−その9「こんな可能性もあり!」 「金貸しは、国家を相手に金を貸す」 10/11/02 AM09
巨大帝国が崩壊するとき 「縄文と古代文明を探求しよう!」 10/10/12 AM07
共認原理による戦争封鎖の実現基盤⇒鍵を握るのは日本 「日本を守るのに右も左もない」 10/10/10 AM00
9/23なんでや劇場 (5)〜破局後の後進国の私権意識をどうする? 「日本を守るのに右も左もない」 10/09/28 PM09

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
現代の神官=社会統合階級の欺瞞
私権秩序の根幹は身分序列にあったのでは?
支配階級の私有権は絶対不可侵だが、庶民の私有権は剥奪され得る
大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく
大衆には、運動を立ち上げる余力が無い→余力を与えられた悪徳エリートが支配する社会
金貸し勢力の弱点と自滅の構造
金貸しと悪徳エリートに止めを刺すのは?
企業を共同体化し、統合機関を交代担当制にする
農(漁)村共同体の建設
支配階級の骨身に染み付いた属国根性
庶民にとって「お上」のことなど、どうでもよかった
日本の首相がアホばかりになったもう一つの理由
民の「お上捨象」とお上の「民の生活第一」という日本人の特異な体質
潮流8:自民党は、なぜ見限られたか?
日本の政治を動かしているのは政治家ではなく官僚だ!〜中村敦夫氏が「霞ヶ関」の実態を暴露
官僚制と試験制の通史的総括
官僚制と試験制の構造的欠陥
文官高等試験合格者が権力の座に着いた昭和初期に日本はおかしくなり始める
幕末の志士亡き後、戦前の試験エリートは失策に失策を重ねた
徴兵制ならぬ徴員制の提案(「日本国の刷新・再生」―21世紀研究会より)
現職の鈴木宗男衆議院議員への不当な最高栽の有罪判決と投獄の政治弾圧@
広域暴力団「霞ヶ関」
「拒否できない日本」を読んで
「アメリカに食い尽くされる日本」を読んでA
日本の政治家も、絶えず監視され報告されているようだ
中川昭一は、なぜ殺されたのか? 亀井に対する「脅し」では?
小泉首相と中曽根元首相に見る奇妙な共通点
この国は電力会社に丸ごと買収されていた。原発マネーに群がった政治家・学者・マスコミ@
日航事故@ '85年、御巣鷹山上空で何が起こったのか?
日航事故A 御巣鷹山上空での日米ソ入り乱れた空中戦の真相
日航事故C 旧陸軍勢力の背後にいるのはロスチャイルド
日航事故D ロスチャイルドに乗せられた明治維新と日露戦争
日航事故E ロスチャイルドとロックフェラーに乗せられた太平洋戦争
日航事故F 旧陸軍勢力の頂点にいる裏天皇の正体は?
マスコミの第一権力化
政治家からマスコミへの権力移行の流れ
小泉の支持率と目先の秩序収束
小泉人気、マスコミに騙されるな!
“民主党攻撃を強化せよ! 徹底的にやれ!”
小泉自民党の“コミ戦”世耕チーム

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp