今後の企業の可能性を探っていく上で、現在の企業の置かれている状況をおさえていきたいと思います。『社労士は見た!中小企業を伸ばす社員育成の極意(著:伏屋喜雄)』より引用します。
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女性の多い職場でのことである。8年勤めたN女性は、かねてより社長から係長になることを推薦されていたが、職場の人間関係や自分の能力に自信がないことから強く拒み続けてきた。やはり、職場は明るく楽しい仲間として長く続けていきたい、というのもその理由の一つであった。
女性経営者を対象にしたある講演会場で聞いてみた。「皆さんの企業で女性が退職される場合の最も多い理由はなんですか」やはり人間関係が一番であった。女性の中には、こうした人間関係をわるくするのは職場における身分や役割の差だと考える人が少なくない。したがって、自分がその役職につく場合、その点を配慮し拒む人が多い。そして、その人間関係の悪化を懸念して、地位に就くことよりできるだけ職場の後輩たちと仲良く友達感覚で仕事しようとする人もまたよくみかける。
確かに、暗い、話のない、殺伐とした職場も良くはない。しかし、仲良くするが余りに仕事に与える悪影響が多いのも事実だ。就業時間中に雑談や携帯、飲食、無断外出する後輩に注意ができない。とにかく注意をすれば嫌味の一つも言われることを心配してのことである。その点、中堅社員であれば、指導や注意は権限外行為であり、する必要がないことから人間関係に配慮することもないし、ストレスが溜まらない等の理由で役職を受けないという図式ができるのではないだろうか。
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