脳回路と駆動物質
236273 一夜漬けの勉強は何故きれいサッパリ忘れるのか
 
安冨啓之 ( 大阪 ) 10/08/16 AM03 【印刷用へ
■一夜漬けの勉強
記憶にとって「焦ること」は悪いことではありません。人は焦るとコルチゾールという副腎皮質ホルモンを多く分泌します。このホルモンの刺激によって一時的に海馬の記憶は高まるのです。海馬のニューロンの数が増える上に、それぞれのニューロンによる情報伝達率もアップするからです。海馬は記憶を司る器官ですから、焦ることによって、短期間であっても記憶力はよくなるというわけです。

この効果が端的に表れるのが、「一夜漬け」の勉強です。一夜漬けをすると普段の何倍もの情報を記憶できる場合があります。気持ちは焦るし、徹夜だし、勉強の環境としては最悪なはずなのに、何とかテストに出る範囲をすべて覚えることができた、という奇跡のような経験をしたことがある人は多いでしょう。実はそれこそがコルチゾールのおかげだったのです。

しかし一夜漬けが最良の勉強法かというと、これは間違いなくダメな方法です。一夜漬けで覚えたことはテストが終わった瞬間にきれいサッパリ忘れてします。
それもまた、コルチゾールの仕業です。テストが終われば焦りの気持ちは消えます。

では常に焦る気持ちを持続するようにして、コルチゾールを分泌させ続ければいいのでしょうか。それはお勧めできないことです。なぜならそんなことをしたら海馬の神経細胞に深刻なダメージをもたらすからです。

コルチゾールが海馬の機能を高めると言っても、それは一時的な作用にすぎません。海馬は通常よりも無理させているだけで、根本的な能力までは高めているわけではないのです。

■記憶力を上げるには?
脳の仕組みから言って、「一度定着した記憶が脳の中から完全に消える」ということは特別な病気にかならない限り、ほぼありません。「忘れた」と思い込んでいることも、ただ、思い出せないだけなのです。
年と取ることによって記憶力が低下すると思われがちですが、実際は加齢によって低下しやすいのは、むしろ「想起力」なのです。
つまり、「覚えられなくなった」ではなく、「思い出せなくなった」という表現が正しいのです。

想起力さえ集中的に鍛えれば、記憶力全体を効率よくアップさせることが可能になます。その際心がけるべきなのは、「できるだけスピーディに思い出す」ということです。


「脳を天才にする勉強法」 吉田たかよし著

____________________________________

よく「反復」の大事さを強調しているが、確かに如何に想起力を鍛えるか?という意味では繰り返し間違えた問題を反復することが記憶力を全体を鍛えることになるのは確かです。
 
  List
  この記事は 219752 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_236273
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp