市場の支配構造
235352 恐慌によってドイツがEUのリーダーとなり、世界の覇権を握るというシナリオ
 
コスモス 10/07/29 AM08 【印刷用へ
金融危機から数年を経て、徐々に負け組と勝ち組が鮮明になりつつある。負け組は、この間に経済的に体力を失ったアメリカや経済弱体国。勝ち組は、金融危機の影響が少なく経済力を温存したドイツ、中国といったところだろう。

アメリカが独占してきた覇権は明らかに宙に浮いており、その覇権を得んとする動きが出てくることが自然だと思える段階に来ている。限界に近づく国が増えれば増えるほど、パワーバランスは自ずと鮮明になり、強者が期を見て覇権獲得に動き出すことになる。これを歴史の必然というのは言い過ぎだろうか。すでに、世界各国の経済対策の手詰まり感が高まる中、金融引き締め政策が打ち出されるなど、不穏な空気も感じられる。

最近ネット上で新たな展開を予感した発信が増えてきており、その1つにEUの台頭を予見した見識が出てきているが、中国が覇権を握るという論以上にその現実味は高いという印象を受ける。その理由に明確な根拠があるわけではないが、世界支配層の一角である欧州貴族系の意志によると思われる流れが強まっていることは明らかではないだろうか。

国際情勢の分析と予測さんの記事に共感を得るところが大きいので、以下に引用させて頂きます。
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欧州危機の行方 リンク より

【私のコメント】
ブログ「貞子ちゃんの連れ連れ日記」は、7月23日付けの記事「経常黒字国:ドイツは、EUのリーダーになる心意気はあるのか?」の中で、「恐慌とは、『お金持ちの覇権国家(経常黒字国にしてリーダー国家)不在の時に起きる。』というセオリー」が、厳然と存在する、と主張している。現在の世界では経常黒字国は日本・ドイツ・中国・中東産油国などであるがいずれも覇権国ではない。従って、恐慌が発生するのは必然的である様に思われる。

ただ、私は恐慌は「起きる」ものではなく、世界支配階層によって「起こされる」ものだと考えている。戦争・恐慌といった大事件は全て、綿密なシナリオのもとに実行されているはずである。そして、来るべき欧州恐慌も明確な目的があるはずだ。それは何だろうか?

それは、統合体として未成熟なEUを、世界覇権国の一つに改造する事であると思われる。EUは通貨は統合されているものの、政治的統合は進んでいないという過渡的状況にある。この政治的統合を推進するのが第一の目標であろう。

第二の目標は、域内各国の経済格差への対処である。経済格差はこれまではEU周辺国のバブルによって縮小してきたが、今やそのバブルは破裂しつつある。この格差は各国の国民性を反映したものであり、短期的解決は不可能である。対処法としては、経済水準の低い国では低賃金・長時間労働・福祉水準切り下げを受け入れて貰う他にないと思われる。この動きはギリシャを筆頭に地中海諸国で現在取り組みが始まっている。

第三の目標は、EUにおけるドイツの優越を制度化することである。現在のEUでは、各国は対等の地位となっている。しかし、経済・技術などの点から見てドイツは突出した存在である。来るべき欧州恐慌を解決するには、ドイツに国債を大量に発行して貰い、内需を拡大する他にないと思われる。ヒトラーが第二次大戦前に採った政策と同じである。そして、ドイツはその資金を地中海諸国などにある程度供与していくことを求められるであろう。

しかし、ドイツ国民にとってみると、地中海諸国の面倒を見させられるだけで、国債はドイツ国民が返済する義務を負うことになり、一方的に不利な政策である。ドイツ国民の同意を得るには、何らかの見返りが必要であろう。それは、EU域内でのドイツの指導的地位の制度化、あるいは誇張されたナチスの戦争犯罪の真実を明らかにすることでドイツの名誉を回復することなどが考えられると思う。対等な諸国の連合体であるEUを、ドイツをリーダーとするより統合された超国家組織に進化させることが、欧州恐慌の目的ではないかと思われる。

(引用以上)
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先ほどアメリカでは金融規制改革法が決まり、EUでは国債空売り規制が、G20では金融規制強化の共同声明が出されました。これらの規制は一般金融機関への規制であり、国家への金融に関する権限の集中とみてとれます。現にFRBはこの規制によって権限を拡大しました。ちなみに、FRBとドイツの関係は以前から強く、金融危機の発端時にはドイツ銀行は銀行のシニア・アドバイザーにグリーンスパンを向かえ、期を同じにしてFRBから資金を調達したといわれています。

このタイミングのこれらの規制制度は、金融市場をコントロールしながら国家権限を強める必要性があったであろうことと、強い国家と弱い国家をより鮮明にする必要があったであろうことも示唆します。

さて、ドイツがEUを牛耳る場合は、メルケルがその役割を演じることになるのでしょうが、過去の独裁イメージを払拭する必要性を考え合わせると、まさに適任なのかも知れません。女性首相ということも逆説的なリアリティを感じさせます。
 
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