素人による創造
232727 『わかる』とは?
 
川井孝浩 HP ( 37 東京 設計 ) 10/06/05 AM03 【印刷用へ
先日のなんで屋劇場で提起された理解主義の欠陥。

>理解するとはどういうことなのか?

>著者はありとあらゆる思いを文章(ex.論語や仏典)に組み込んでゆくが、それを理解するとは自分の興味関心に基づいて、元々書物に込められた広範な意味を、自分の理解で切り取り、矮小化させることに他ならない。言い換えれば、在りのままに受け止めているのではなく、自己流に解釈しなおしているだけであり、それは余計な(無駄な)操作なのではないか。232546

元々あまり本を読まない質なので、実は上記のような「理解しようとした」経験があまりないのだが、とにかく今まで読書が苦痛でしかなかった事の意味が腑に落ちた。一方的に、かつ長文に渡って書き綴られた、しかもその大半がそもそも意味があるのかも分からないような書物を読むという事は、そこに意味を持たせようと必死に理解(無理やりな解釈を当て込む)を試みるか、最初から現実的な価値観を放棄して著者の架空世界に入り込む以外に方法は無い。

小説などの娯楽の場合、後者の場合が殆どであろうが、この場合目的が娯楽であって、せいぜい時間潰しの役に立てば良い程度のもの。現実に使えるかどうか、あるいは必要か否かの土俵には始めから上がっていない。

一方で、学術書や論文の類は、何かしらの調べ物に取り組む際には避けて通れないような気もするが、実はこれとて理解を目的に読めば、ずれてしまう欠陥物に過ぎない。

文字は記録媒体であり、書き記した当時の状況と今現在とは、すでに違う。あるいは、限定的な人工空間によって実証された研究結果と現実もまた、異なる。つまり、幾ら字面を追って著者の思いや思考に近づこうとしても、その時点で非現実的な妄想を間に挟む以外に溝を埋める方法など存在しない。

しかし一方で、人類も外圧適応態であり、常に変化する現実に対しては、絶えず答えを生み出して行く必要がある。言い換えれば、常に日常的な課題圧力が働く空間において、事実の共認・方針の共認の必要性に絶えず晒されている生き物である。

つまり、お互いに『わかる』事無しには先に進めない生き物だとも言える。

さて、ここでふとした日常を振り返ってみて欲しい。

仲間や集団の中において、ある問題が発生した。どーする?

ここで答えに近づく為の情報収集に書物が利用される事はあっても、最終的な答えの共認過程は、ほぼ100%対話によって決められているだろう。つまり、『わかる』とは『共認する』事に他ならず、それは理解しようとするのではなくお互いの状況を現実とすり合わせて行く過程なのだと思う。これさえ怠らなければ、お互いの気持は必然的に共認へと収束し、答え=方針へと可能性収束して行く。その結果が、実現し適応する、という事だ。
 
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233078 物事を論理立てて考えることは、本を読むことと殆ど関係がない? (´・∀・`)へー 10/06/12 PM03

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