本能⇒共認機能⇒観念機能
232519 5/30なんでや劇場レポート「観念力を鍛えるには?」(1) 話し言葉と書き言葉の断層はどこから登場したのか?
 
匿名希望 10/05/31 PM09 【印刷用へ
前回のなんでや劇場では、「言語能力を鍛えるには暗唱千回が最も有効という結論」だった。既に『実現論』斉唱などを実践し始めたグループがいくつかある。そこでどんな成果が上がったか? 同時に暗唱千回で本当に観念力が身につくのか?(足りない所はないのか?)

まずは、前回の復習をしながら、より一段踏み込んだ分析をしてゆく。

観念機能(言葉・文字)は他の動物にはない人類固有の機能だが、それはサル時代の共認機能(相手の期待に応えて充足を得る)を土台に形成されている。人類の最大の活力源は共認充足であり、サル時代の共認機能の形成過程は『実現論』の中でも最も重要な部分。「サル時代の同類闘争共認機能実現論1_4_01

●観念能力の形成過程は、赤ん坊の頃から「聞く→話す→読む→書く」と順で段階的に発達する。

注目すべきは、言語能力の土台にある「聞く→話す」という行為は、聞いて真似をするということであり、これは一般動物にも備わっている学習本能によるものであるということ。但し、人類は話せるようになるまで1〜2年を要する。

さらに2〜3年後、幼稚園児くらいになって初めて文字に出会い、読むという行為が始まり、その後に書くという行為が始まる。このように、「聞く→話す→読む→書く」の各段階で時間がかかるが、そのことは各段階において断層があることを暗示している。

また、断層を暗示する、もう一点は、使用頻度の違いである。聞いたり話したりすることは日常で絶え間なく発生するが、読むという行為は1日のうち稀にしかやらない。読むのは娯楽や仕事上の必要がある場合に限られる。しかも今や、遊びの失速で娯楽のための読書は減る一方であり、残る動因は仕事上の必要に限られる。書くという行為にはもっと距離があり、仕事上の必要の中でも、報告書を提出する局面でしか書くことはない。

このように、とりわけ話し言葉(聞く、話す)と書き言葉(読む、書く)との間の断層が極めて大きい。ほとんどの生徒は作文が苦手という事実がそのことを示している。

●話し言葉と書き言葉の断層はどこから登場するのか?

サル以前の動物には右脳・左脳で機能的な差はなく、人類だけが右脳・左脳の使い分けをしている。人類固有の観念機能の登場によって、右脳・左脳に役割分担したと考えられる。

では、観念機能が登場したら、何故、右脳・左脳が役割分担する必要があるのか?

観念機能は極めて負担が大きいからである。なぜ、負担が大きいのか?

観念機能のうち、まず話し言葉について考える。
人類の話し言葉は、動物もそなわっている本能上の音声機能による交信と大差はなく、負担は大きくない。動物の感覚機能は生きるか死ぬかという外圧に適応するために形成されたものであり、それは本能的な欠乏と直結している。同様に、人類の話し言葉も本能欠乏・共認欠乏と直結しているor断層は少ない。

それに対して、書き言葉(文字)は? 文字は視覚の対象だが、文字以外の視覚対象と何が違うのか?

動物の視覚機能でも、本能的な欠乏に基づいて(外敵か?餌か?といった)照準が合わされる。ところが、文字は餌にもならないし、襲ってもこない。つまり、文字は本能機能・共認機能と結びつかない、単なる無秩序なデジタル記号にすぎない。デンタル記号にすぎない文字を本能・共認機能と結びつける(=意味づける、秩序化する、統合する)には膨大なエネルギーを要する。それだけ習得するのに時間がかかり、日常の使用頻度も小さいのも、そのためである(この共認回路と文字との断層をどう乗り越えるか? それが言語能力上昇のための課題である)。

このように文字は、意識的に努力しないと本能・共認回路と結びつかない。そのために膨大な脳容量を使う。共認機能はサル時代には右脳・左脳の両方にあるが、この膨大な脳容量を使う機能を左脳が司るようになると、共認機能は主要には右脳が担うようになっていったと考えられる。
 
  List
  この記事は 231048 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_232519
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
256147 実現論斉唱は、思考法に触れる機会であり、だからこそ最高の学びの場!!〜私の体験談〜 塩貝弘一郎 11/08/29 AM08
「宇宙人はいるのか?」〜右脳で捉えた宇宙人 「生物史から、自然の摂理を読み解く」 11/07/30 PM10
235215 「聞くことに徹する」ことの重要性 天神地祇 10/07/25 AM04
『文字によって人は何を失ったのか? 3 −共認充足を土台にした思考力の再生−』 「路上で世直し なんで屋【関西】」 10/06/28 PM05
観念力を鍛えるには?1 〜観念力って何?〜 「路上で世直し なんで屋【関西】」 10/06/18 PM06
233339 テレビは「聞く→話す」段階での観念能力の習得に多大な問題を引き起こす 末廣大地 10/06/17 PM05
233321 寺子屋の文字の学び方〜豊かな共認機能を土台に同化を重ねていく〜 JUST-IDEA 10/06/17 AM00
232978 日本の英語教育の間違い 匿名希望 10/06/10 PM08
232774 脳内デジタル記号化☆ hey 10/06/05 PM11
232675 なんでや劇場レポート(3)を読んで 匿名希望 10/06/03 PM10
5/30なんでや劇場レポート「観念力を鍛えるには?」(1) 話し言葉と書き言葉の断層はどこから登場したのか? 「これからは探求の時代」 10/06/03 PM03
232619 赤ちゃん〜子供は、本能・共認・観念がつながっている 匿名希望 10/06/02 PM10
232612 記憶の定着〜運動機能の併用と本能、共認回路に結びつける 匿名希望 10/06/02 PM06
5/30なんでや劇場レポート「観念力を鍛えるには?」T 話し言葉と書き言葉の断層はどこから登場したのか? 「日本を守るのに右も左もない」 10/06/02 PM03
232577 ことば もりちゃん 10/06/01 PM11
232520 5/30なんでや劇場レポート「観念力を鍛えるには?」(2) 5000年前の文字登場以降、共認機能は衰弱している? 匿名希望 10/05/31 PM09

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
超国家・超市場論1 新しいまつり場は、国家と市場を超えられるか?
超国家・超市場論2 闘争(能力)適応 と 共生(取引)適応
超国家・超市場論3 置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ
超国家・超市場論4 同類闘争の圧力と共認統合の限界
超国家・超市場論5 私権闘争・掠奪闘争をどう止揚・統合するのか?
超国家・超市場論6 生存圧力に基づく同類闘争から、同類圧力に基づく同類闘争=認識競争へ
超国家・超市場論7 私権闘争を統合した 力の序列共認
超国家・超市場論8 国家(力の序列共認)と その統合限界
超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である
超国家・超市場論10 何をするにもお金がかかる社会
超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない
超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある
超国家・超市場論13 人類の新たな活力源=圧力源
超国家・超市場論14 外向収束⇒認識収束に応える『認識形成の場』
超国家・超市場論15 『認識形成の場』こそ、新しい社会統合機構の中核である
超国家・超市場論16 ゼロから、自分たちの『場』を作る活動
超国家・超市場論17 新しい社会統合機構が、国家機関を吸収・解体する
超国家・超市場論18 認識形成の『場』を構築することこそ、真の社会活動である
超国家・超市場論19 もう、傍観者=インテリ統合階級は、要らない
超国家・超市場論20 認識形成は遊びではない、生産活動である。
超国家・超市場論21 『認識形成の場』が、なぜ有料化されるべきなのか?
超国家・超市場論22 お金は、現実の必要度を測るモノサシ
超国家・超市場論23 『必要か、必要でないか』という真っ当な判断の土俵が出来てゆく
超国家・超市場論24 必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆく
超国家・超市場論28 新しい可能性が顕在化するとは、どういうことか?
超国家・超市場論29 新しい『場』は、古い評価指標の洗礼を受けて、はじめて顕在化する
超国家・超市場論30 実現の論理
判断の土俵と解体・再統合 大学の例
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
社会統合組織の史的総括 国家と教団
社会統合組織の史的総括 市場と演場
大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく
マイナス原因構造とプラス実現構造という両輪
支配階級の私有権は絶対不可侵だが、庶民の私有権は剥奪され得る

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp