学者とマスコミはグルで頭脳支配
231661 明治初期の国家政策と共同体の崩壊 【その2】
 
火中の栗 ( 40代♂ ) 10/05/15 AM01 【印刷用へ
■■地租改正の目的は資本家の創出

農産物収入の小作人・地主・国家の配分は以下のとおり。

      小作人   地主    国家  
1873年 32%  34.0%  34.0%
1877年 32%  47.3%  20.7%
1881年 32%  56.4%  11.6%

小作人の配分は変動ないが、国家の取り分は激減し、地主の取り分が極端に増加している。これはどういうことなのか?

当時の小作地は全耕地の3分の1。
国家は地主に対して、小作地の所有権を認めた。これをうけて小作人は、地主に対して60%以上の小作料を現物で支払うようになった。貨幣の乱発などで、物価が騰貴(インフレ化)した場合、インフレと関係のない地租で金納する地主の取り分は、ここでも増加した。

反面、自営農民は土地を手放して小作人になったり、都市の労働者となるしかなかった。そして自作農が手放した土地を地主が買い取り、肥大化していく。(肥大化した地主を寄生地主という)

以上の事象は国家が地主を保護している、すなわち、殖産興業の経営者=資本家を育成するために政府が行った政策だということを示している。
国家運営に必要な階層を政策的に作り出した結果、富国強兵のための軍需工場、軍隊、徴兵制による兵隊確保を国家は実現させていった。



■■共同体の崩壊

こうした国家政策の影響をまともに受けたのが農村=共同体である。

当時最大の課税対象となったのが、人口の大多数を占める農民だった。言い換えると農民からいかに税金を取るかが、新政府の最大の課題。

地価の一律3%という地租の設定、かつ豊凶に関係なく一定の税率は確実な税収を国家にもたらす一方で、農民を苦しめることになる。

結果、自営農民は土地を手放して小作人になったり、小作人はさらなる生活苦に陥っていった。そして彼らの一部は農村を離れるしかなくなり、都市の労働者となって“殖産興業”を下支えすることになる。

こうして、日本に息づいていた共同体は確実に崩壊してゆくのである。


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