新資源・新エネルギーの開発は?
231066 リグノフェノール実用化が進まないのはなぜ?
 
太刀川省治 ( 50 大阪 建築士 ) 10/05/03 AM01 【印刷用へ
木材からりグノフェノールを抽出して利用するだけでは、木材資源の限られた利用で終わってしまい、環境破壊にもつながりかねない。そこで船岡教授は、この技術をあくまでも木材資源のリサイクル・システムの中に位置づけることを提案した。

船岡教授の研究には株式会社リクルートが「大学技術移転機関(TLO)」として参画し、荏原製作所をはじめ下記の企業が実用化に取り組んでいる。「発明」と「複数社を巻き込んだ事業構想」との間のギャップを埋める役割を果たしている。

■リグノフェノール実用化に取り組む企業
日精樹脂工業、住友林業、段谷産業、ザナジェン、
住建産業、大建工業、松下寿電子工業、荏原製作所、
大成建設、東洋樹脂、マルト- 、コクヨ



しかし、パイロットプラント稼動以来10年もたつのに、一般市場に製品が登場しない。企業ができる技術高度化でも超えられない壁が産業構造、市場にある。

(効率的な集荷・製材システム等の導入が必要)
日本の木材原料は諸外国に比して相対的に安価だが、リグニン素材の集積が産業システムに組み込まれていない。分散的収集、多段階の流通や機能していない原木市場、製材所の規模が小さいなどの要因でコストが高い。また5年〜10年に1度は地域のどのような山にも間伐、択伐が入る仕組みの導入等が必要。

(施設費や運転費の削減が必要)
十分に普及していないため、施設建設費が高いために事業リスクが高くなる。特に破砕機の部分が高い。リース方式の導入可能性や国からの交付金の利用も含め、施設費の削減を図る。

(情熱のある事業主体の確保が必要)
環境配慮をアピールすることだけが目的なら、生産ルートが既にできているポリ乳酸やバイオエタノールに乗っかって、一部の製品に利用すればいいのでそこに飛びつく企業が多い。
木質バイオマス事業は地域にとって新しい事業であり、トライアル&エラーの要素が多い上に、産業構造全体を組み替える事業でもあるので実現に向かう決意性と活力が不可欠である。新たな課題にあたってもそれを突破するだけの情熱を持つ企業のみがなし得る事業である。



【参考】
「他社(特に大学)の知財を事業化するためには」リンク
 株式会社リクルート テクノロジーマネジメント開発室
「森林バイオマス利活用の方向」リンク
 株式会社 エックス都市研究所
「家電製品への植物原料プラスチックの活用」リンク
 ソニー株式会社
 
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