早朝の移動には航空便を使うことがある。親方日の丸の仕事ぶりが染み付いた左前の日航には世間の目が冷ややかだが、最近面白いことに気がついた。
早朝の羽田便などが出発時にもたついて到着が遅れようものなら、機体が駐機場に固定される前から乗客は安全ベルトはずして席を立ち始める。異様な雰囲気が続いていた。
『機体が完全に止まり、ベルト着用のサインが消えるまでお席をお立ちにならないで下さい』と、これまでは警告のアナウンスを繰り返していた。それを、『〜にお座り頂くよう、皆様のご理解をお願いします』に代えて以来、前述した乗客の振る舞いがめっきり消えてしまったのである。
『皆様のご理解をお願いします』と呼びかけられた途端、その求められた理解の中身を夫々に感じ取って振舞っているようにも思えて来る。
自分勝手な振る舞いが周りの皆から見られているんだと、周りの人たちへの思いやりが欠けた身勝手な振る舞いなんだ等と、乗客は様々に周りの空気を感じ取っているように思える。
ダメ指摘や忠告や警告より、周りやみんなのことを思いやる気持ちを引き出す言葉の威力を感じた。英語のアナウンスは変わらないが、みんなや周りの状況はどうなんだろうと読み取って行動するの日本人には、こんな表現が響いたのであろうか。 |
|