人類の起源と人類の拡散
22909 群はオスと母系集団から 『サル集団の観察』
 
本田真吾 HP ( 44 香川 建築家 ) 02/02/03 PM02 【印刷用へ

田中さんこんにちは。今回はオスの序列と母系血縁集団の関係について考えていきたいと思います。主要な出典は同じく『サルの群れの歴史』 糸魚川直助著、大阪大学の研究グループです。

ニホンザル(真猿)社会の構造は、最中心部にボスを含む上位オス、それの周りにメスと子供、そして周辺部に大部分の順位に低いオスという三層構造をとります。内部構成としては『複数の母系集団(メスと子供)』と『複数の成体オス』からなってます。そして大多数のオスは成長すると、メスと子供の母系集団を離れ周辺部に出ます。

また、単一母系集団のみの真猿集団は見られません。必ず複数の母系集団が集まってできています。これは将来集団をになう子供の成長にとって極めて重要になります。母を中心とした母系集団内の同年輩関係(≒兄弟関係)以外の仲間関係は、相手の母親まで巻き込んだ関係構築まで必要となり、序列共認や集団関係をマスターする上で重要なトレーニングになるからです。

次に、成体オスは出自以外の複数の母系メンバーと関わります。関わり方は生殖だけではありません。メス達を庇護し、メス(母系集団)同士の争いを調停し、子供の成長、独り立ちに関わり、それらを通して集団をまとめていくことをになってます。複数の母系集団が一つの主集団内で安定するには、複数の主要なオスが必要ということです。

そのなかで、成体オスを中心に真猿集団をみてみます。まず、大雑把集団構成を見ると、200頭の集団ならば30頭が成体オス、残りは成体メス.子供.わずかの老体オスメスという構成になっています。この中で集団に対して影響力の高いオスは上位10頭程度ですから、それらの個体にについて調査した結果を観察者はまとめています。

結果として、順位の高い母系集団の出身のオスほど、上位10個体に入る率が高いということ。次に、位10個体にはじめてランクされる年齢(5歳から12歳)は、順位の高い母系血縁集団の出身オスほど若いということが確認できました。

集団をになう主要なオスは、闘争能力だけでなく、順位の高いメス達からの後押しがもう一つの重要なファクターになっていることを示していると思います。力の序列共認だけでなく、オスメスの庇護依存関係を中心にしたもう一つの共認関係が真猿集団の統合原理になっているのだと思います。

 
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188867 ボスの役割は闘争と集団統率(メスの期待に応えること) 三浦由衣 08/10/04 PM00
22910 群れの中のオスザル達  『サル集団の観察』 本田真吾 02/02/03 PM02

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