新資源・新エネルギーの開発は?
228746 100年の森を育てる 〜林業と地域再生を目指す株式会社トビムシの試み〜
 
橋本宏 ( 20代 大阪 会社員 ) 10/03/22 PM11 【印刷用へ
過疎化が進み、雇用の担い手不足やコミュニティ不足が深刻化しつつある岡山県西粟倉村で、林業と地域再生を目指している、社会事業の先駆けの事例として株式会社トビムシ(リンク)について紹介します。

■村の地域活性化 ⇒ 100年の森を育て、林業を復活させる
かつては林業で地域を支えてきた西粟倉村ですが、昨今の過疎化・高齢化に伴って個人が森林を保有する小口化と管理者不足が事態を深刻化させ、林業の衰退が危ぶまれていました。

そこで、株式会社トビムシが参入し、「100年の森を育てる」をコンセプトに、現在植わっている良質な木と、その干ばつ材によって付加価値を生み出す試みを始めました。

まずは、村の人に協力してもらい、ばらばらになっている森林の所有を一括して管理し、インフラ整備や重機の管理を共有化することで、コスト削減を図りました。地域住民とのネットワーク化と、経営状態を整えることによって再生の第一歩を踏み出しました。

そして、廃校になった学校を活用してトビムシの拠点を作り、ここでは、干ばつ材を利用した家具や遊具の開発を行ったり、その近くには地域の木材を使ったモデル住宅を建設し、「木」の良さを人々に知ってもらうことによって、木材を活かした高付加価値商品を生み出すことに成功しました。

■新しいお金の使い方 〜共有の森ファンド〜
この会社の試みで最も特徴的なのは、「共有の森ファンド」という出資者との協働によって地域を再生していくという試みです。
この「100年の森を育てる」というコンセプトに賛同してくれた人や、木の商品を購入してくれた人の中から、協力したい!という人に対して「共有の森ファンド」が開設されており、5万円を一口にして出資することができます。そして、そのお金は森林を再生するための機械の購入やインフラ整備などに当てられることになります。

また、単にお金を出資するだけでなくて、定期的に出資者に対して「森の見学会」を開催しています。そこでは、自然と触れ合うことによって森の大切さを知ってもらう林間学校のような場を設けたり、地域の人との交流の場が開催され、地域再生計画に貢献していることを体感してもらおうという試みを行っています。

出資した人には利益に応じた分配だけでなく、自分の出資しているお金で、森が再生され、そして地域が再生していく。「何のためにお金が使われているのか?それが何に還元されているのか?そして、そのため自分がどのように貢献ができているのか?」の一部始終を納得したかたちでお金を出資することができるのです。

お金を出資する人を単なる消費者とするのではなく、地域再生という同じ土俵で協働してもらうこと。地域の住民は今まで培ってきた経験を活かし、外部の人と森林・地域を再生できる活力をもらったこと。株式会社トビムシはこれらを見事にネットワークを構築して再生した、社会事業の新しい事例だと感じました。
 
  List
  この記事は 224537 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_228746
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp