企業を共同体化するには?
227346 社内に“家族”を作った会社
 
阿部和雄 ( 41 東京 設備士 ) 10/02/28 AM10 【印刷用へ
スカウト、人材採用コンサルティングを手がけるレイス株式会社では、2002年から“里親制度”を設け、会社内に“家族”を作っている。
新入社員2〜3人を“子”として、2年目社員を“兄・姉”、3年目以上の社員を“親”とし、月に一回“家族会”を開いて食事会やバーベキューを催す。仕事上の上司・部下関係ではない親密な関係をつくるのが狙いだ。

仕事上の疑問から日常の悩みまで、さまざまな話題が出てはみんなで疑問や不安を解消していく。これが安心して仕事に取り組める土台となり、それまで30%近くあった離職率が約2%にまで下がったという。

さらにこの会社では、毎日夜の8時になると各事業部の人が集まって“夜会”という交流会が開かれる。社内に設けられた和室にはビールサーバー置かれ、さまざまな事業部の人が集まりビールを飲みながら、いろいろなテーマについて話し合う。役員がその輪に入ることもあり、他部門がどんな仕事をし何を考えているのかが見えてきて、全社的な視点と仲間意識が醸成されていく。(『優れた企業は「日本流」』扶桑社新書より要約)


かつて高度経済成長期の日本企業には、「家族的企業経営」といって、社員の家族も一体となった共同体的意識が底流にあった。会社も家族も、成長=私権獲得という目的を共有する集団として統合されていたわけだ。

しかし、私権が衰弱し企業が活力を失い続け、家族も解体。あらゆる集団がガタガタになっているなかで、新たな集団再生の動きが最先端の企業の中から生まれつつあるようだ。それも、かつての私権意識に代わり、みんなの課題を核にした親和充足や仲間意識といった“共認原理”を基盤にした集団へと変化してきている。

活力のある企業に時代を乗り切るヒントがある。これからも私権時代の枠を超え出た、新しい形の企業が誕生していく予感がする。
 
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3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
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7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
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