暴走する悪徳エリートの所業
224779 日本とアメリカの検察官の違い 〜強大な権力を手にした背景〜
 
根木貴大 ( 35 静岡 営業 ) 10/01/21 PM05 【印刷用へ
日本の検察官に与えられている権限は、欧米のそれと比べてもなお強く、広範な側面を持つという。その違いはどこから来るのか?

【アメリカ人のみた日本の検察制度】より引用
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(P149)
 起訴の決定の仕方には、日米間に1つの大きな相違点がある。すなわち、アメリカの検察官は、実際どんな反省の表現に対しても心底不信感を抱いており、冷淡ですらあるが、他方日本の検察官は一生懸命反省を引き出そうと試み、心からの反省が見られる場合は矯正が可能であると信じている。もちろん、日本人が犯罪者に反省させたがる傾向を誇張してはならない。というのは、検察官は反省が本物かどうか綿密に調べるし、調べなければならないことになっている。伊藤栄樹の戒めにあるように、犯罪者は寛大な扱いをしてもらおうとして心にもない演技をしてみせることがあり、大勢の検察官がそれで苦い目に遭わされている。それでもなお、日本の検察官は、本当に反省をしている犯罪者とそうでない者を識別することが自分たちの主な任務の1つだと考えており、かつ、その任務の遂行を可能にするような環境に恵まれている。たとえば、起訴前に長期間の捜査が可能であること、情報収集が容易な法律上の仕組み、非当事者主義的な刑事手続き、そして犯罪者が自白することが多いことなどである。したがって、検察官に活発な活動をさせるような文化的な規範と、それを達成させる構造面の現実がぴったり一致しているのである。

 検察官の文化におけるもう1つの核心、すなわち仕事上の目標は、日米間に明らかな相違がある。真相の解明、反省を引き出すこと、犯罪者の更生、同種事案の取り扱いの一律性、そして犯罪者・被害者関係の修復といったことは日本の検察官にとっては、アメリカの検察官の場合よりも、重要性と優先性が高いように思われる。他方、アメリカの検察官は市民の保護や犯罪者には当然の償いをさせるといった「犯罪抑制」の目標を重視する傾向がより強いようだ。

―<中略>―

アメリカの検察官は警察と同じように、自分たちの役割を、日本の検察官たちよりも狭く考えているようだ。日本の検察官は、犯罪者の更生と、加害者と被害者の間の関係の修復に努める過程で、当事者たちやその共同体の中へ、アメリカであれば不当あるいは不要とされるような形で深く踏み込んでしまっている。こうした踏み込みが許されるのには、ある条件が存在する。それは当局と一般市民との間の境界に浸透性があるということだ。そしてこれは長年の日本の社会の特徴である。
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犯した罪を真っ当に裁くには、その背後にどのような事実構造があったのかを押さえ、当人の意識と、とりまく環境に同化することが不可欠である。検察官が持つ力とは、歴史を遡れば、それは暴力的な権力としてではなく、共同体規範を守っていくために社会から与えられた役割だったのではないか。

とすれば、検察の暴走を止めるために、欧米の司法・検察制度を安直に取り入れたところで、事態は決して好転しない。求められているのは、共認原理に基づく、日本独自の新たな仕組みではないかと思う。
 
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