現代意識潮流を探る
224525 先進国の社会運動の終焉過程
 
田中素 HP ( 44 長崎 企画 ) 10/01/17 PM11 【印刷用へ
> しかし、逸早く市場拡大の道を歩み、国富(国力)を市場拡大に依存するに至った先進国では、既に戦前(前世紀初頭)の段階で、戦争であれ革命であれ、弱者側(独・日や労働者・農民)の武力闘争による勝利の可能性は、とっくに無くなっていた。それは、武力によって統合された武力社会から、人々の共認によって統合される共認社会に既に移行していたからであり、かつその最強の課題共認が豊かさ追求=市場拡大だったからである。
そして’70年、貧困の消滅をもって、先進国の社会運動は終焉した。9234

先進国の社会運動の終焉過程には二段階あったと考えられる。
一段階目は、上記にあるように、前世紀初頭より市場拡大へ舵を切った先進国において、弱者による武力革命の勝利可能性が無くなった段階。

ここで、資本主義を採用した国家の一群に対する弱者(敗者)側の対抗策が、共産主義(中ソ)やファシズム(独)、軍国主義(日本)だった。しかし、豊かさ追求(私権の獲得)という最強の課題共認のもとでは、私権闘争のエネルギーを最大化する資本主義というシステムに勝てるわけもなく、それらが生まれた当初から既に敗北が運命づけられていたと言える。

二段階目が'70年の貧困の消滅であり、日本であれば団塊世代の全共闘運動が最後の社会運動だと言える。それまで、現実には敗北の連続であっても、貧困という外圧が原動力となり、弱者による身体を張った体制転換運動は続いていた。貧困の消滅と同時に序列崩壊が始まるので、一見、全共闘運動は規模としては大きい。しかし、運動の肉体的な目的である豊かさの実現は既に達成されてしまったため、体制による鎮圧の後は運動を継続するエネルギーも失せ、団塊世代は一斉にマイホーム収束に転じ、後に続いて三無主義(無気力・無感動・無関心)のシラケ世代が訪れる。

こうして、まず勝利の可能性が封鎖され、次いで原動力たる私権欠乏が衰弱することによって、先進国の旧い社会運動の命脈は尽きた。
 
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