マスコミに支配される社会
224518 大マスコミは正義の味方か?(1)
 
孫市 ( 会社員 ) 10/01/17 PM09 【印刷用へ
『今この時&あの日あの時』より転載です。
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大マスコミは一部権力の宣伝機関に成り下がってしまったのか?

 年初以来、民主党の小沢幹事長の土地購入問題が連日新聞やテレビを賑わせています。同問題は13日の東京地検特捜部による関係先の一斉捜索でピークに達した感があります。検察はこの問題を引き続き捜査し続けるのでしょうが、来週から通常国会が始まり、特捜は小沢一郎を面と向かって攻めることは難しくなります。
 国家公務員法違反などは何のそのの、特捜によるマスコミ各社への大量リークは多分それを見越して、今のうちに知り得た捜査情報をマスコミや自民党などに渡してしまおう、「マスコミよ、自民党よ。後はよろしく頼んだぞ」というようなことだったのかもしれません。

 一般的に「地検特捜部は何でも出来る」と言われています。古い話ながら田中角栄元総理の逮捕を持ち出すまでもなく、時の政治的最高実力者さえその気になれば“引っ張れる”わけですから、そう怖れられるのも無理からぬところです。また「地検特捜部と警視庁公安部がこの国の最高権力機関だ」という指摘も肯けるものがあります。
 それと共に忘れてならないのは「マスコミの力」です。マスコミも、時の政権、官僚組織、財界と共に「第四の権力」だと言われるくらいですから、マスコミの力は侮れないものがあります。

 何といってもマスコミの最大の武器は、世論誘導力、世論形成力にあるものと思われます。もちろん正当な理由でその力が行使されれば、国民の福祉・幸福の向上に大いに寄与するわけです。
 しかし今回の小沢土地問題のようなケースはどうでしょうか?「何でも出来る検察」が捜査情報をリークしまくり、世論誘導力抜群の新聞・テレビがそれを受けて連日大々的に報道しまくる。国民に「小沢一郎 = 悪人」というイメージを与えることなど簡単に出来てしまうのではないでしょうか?これは検察ファッショとメディアファッショが複合した、たちの悪いファシズムと言えないでしょうか?

 形こそ違え、戦前その弊害が極端に尖鋭化したことがあります。強力に戦争を遂行しようとしていた時の軍部に、当時の新聞が戦意高揚記事をどんどん載せ、国民を悲惨な戦争へとミスリードしたのは紛れもない事実です。戦後マスコミは、その苦い教訓から、時の権力にはすり寄らない、権力は常に厳しくチェックする、権力の片棒を担ぐようなことはしない…と固く誓って、再出発したはずです。
 当時の言論人のこの決意は、戦後のある時期までは確かに守られていたと思います。その頃は今よりずっと、「社会の木鐸」たるに相応しい堂々たる言論活動が展開されていたと思われるのです。

 しかし終戦から60数年経過した今日ではどうでしょうか?大マスコミは当時の先人たちの血のにじむような決意を、今に受け継いでいると言えるのでしょうか?
 私は決してそうではないと見ます。大マスコミはとんでもなく変節してしまったと思われるのです。個人的なことで申し訳ないながら、03年のイラク戦争報道で『ダメだ、こりゃ』と失望し、20歳頃から取り続けていた某新聞の購読を打ち切りました。同時にテレビも以後あまり観なくなりました。大新聞は読まず、テレビの報道番組も今や必要最低限、それで何か困ることがあったでしょうか?いいえ、何も。時々のニュースはその気になれば「ネットニュース」でしっかり把握できますし、特定の出来事は熱心に検索しさえすれば、今時の大マスコミの偏向、情報隠し報道よりずっと核心を衝いた情報が得られます。

 さて今回の小沢問題では、どうやら西松事件の際は小沢本人から証拠隠滅の指示があったらしいし、岩手県の某ダム建設がらみで大手ゼネコンから裏金が渡され、それを今回問題になっている土地購入資金の一部として充てたらしいと言われています。
 もしそのような事実が本当なら、地検特捜は知り得た捜査情報は極力漏らさず、粛々と捜査を積み上げ小沢一郎を立件に持ち込めばいいことです。

 そのような純然たる捜査上のことは別にして。今回の問題では検察と大マスコミの絶妙な連係プレーによって、早や既に「小沢幹事長辞任」「小沢議員辞職」に向けた世論形成がほぼ出来上がりつつあるとみていいのではないでしょうか?
 以後は特捜が表立った動きをせずとも、マスコミがことあるごとにどんどん「小沢辞任、辞職」の方向に世論誘導していってくれるだろうし、さらに間もなく始まる国会論戦でも自民党がその動きを強力に後押ししてくれることだろうし…。今までの名だたる政治家も、世論の支持を失うことによって辞任したり没落したりしていきました。今回小沢一郎がそのパターンにはまり(はまらされ)つつあるように思われます。

 来週から始まる国会は、小沢本人にとっても、小沢が生み出したと言っても過言ではない鳩山政権にとっても、本当に正念場となることでしょう。戦後の政治家でここまで追い詰められて復活した政治家を、私は寡聞にして知りません。しかし一斉捜索を受けても、いくらマスコミのバッシングを受けても、小沢にはなお余裕があるように映ります。何か起死回生の秘策でも持っているというのでしょうか?もし小沢がこの状況を形勢逆転出来たら、それこそ戦後政治史の奇跡にも思われますが、「どっちに転ぶか」小沢をめぐる動向には当分目が離せません。
 
 とにかく今回の小沢問題は、最強の地検特捜部と、これまた最強の世論誘導力がある大マスコミが手を組めば「無敵である」という、かっこうの実例になるのではないかと思われます。  (以下次回につづく)

 (大場光太郎・記)
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